この道は以前にうんこを漏らした日に通った道だ。賞味期限を二週間ほど過ぎたヨーグルトは、においも味も、いつも通りだった。
橋を越えてすぐの所にあるミニストップのトイレは都合よくは空いていなかったし、橋の手前のセブンイレブンを通り過ぎるときは漏らすことなんて想像もしていなかった。
折り返して橋を渡るとき、星がとても綺麗だった。橋の上は風が強いと、いつも思う。
通勤電車でふと思った。高校生は電車通学を経験していたほうがいい。
のべ十数年、学校に通ったが、電車を利用したのは一年にも満たない期間だった。
その間なにも難しいことは起きなかったが、電車通勤を始めて二年、三年と経ってくるとそれなりに難しいことは起きる。
大人だから動じないが、周りの高校生も動じない。周りの高校生は自分と同じぐらい大人である。そして高校生の時の自分ならそうはいかない。見ている景色の数や感じることが大きく違う。
そんな経験が学生時代からできるのだから、世の父母が大金をかけて我が子電車通学させるはずである。
道路には腐ったバナナの皮みたいな靴下が転がっていて、雨は降っていないのに雨上がりのアスファルトみたいなにおいがしている。
看板には「インディアン嘘つかない」と書かれてはいたが、インディアンが嘘をつくかつかないかは知らないし、問題ではない。
いろいろと思い出したが、そういえばあの日、漏らさなかったかもしれない。