私の少年時代は、幸福なものでした。

文字や記号が好きで、
漢和辞典から難しい文字を鉛筆で紙に書き写したり、
広告や街の看板で見かけた文字のデザインを写していました。

数字も好きでした。
計算や文字の覚えは早く、
以降ずっと、学業で困ったことはありませんでした。

2歳でひらがなカタカナ数字アルファベットを読み書きでき、
14歳で漢検1級に合格、
17歳で英検準1級も取りました。

ただ、あくまで文字の扱いを覚えただけで、
理解には達していませんでした。
それで大人になってから色々と困りました。

小学生の時は、ボードゲームが好きで、
特にモノポリーは好きでした。
「アメリカ50州」「イギリス1周」「東京23区」と
色々な国や街のモノポリーをノートに作って、
昼休みに級友を遊ばせていました。

天文も好きでした。
天体番号を専門書から集め、
どの星座にあるどんな天体かを同定することに
2年くらいずっと熱心でした。
NGC番号を7840個のほぼ全て同定したときは
達成感があって嬉しかったです。

中学は勉強と部活の毎日で、
勤勉さと生活習慣を確立した時期でした。
成績は先生に聞いたことはないですが、
グラフで見ると毎回1番上のグループでした。

友人は少なかったです。
そもそも話すことが少ない生徒でした。

幼稚園の時、ごっこ遊びやなぜなぜ期がなかったと
聞いたことがあります。
漫画やお笑いや、ミニ四駆など、
当時流行っていたことには興味がなかったのですが、
今思えば、わからなかったんだなと思います。

例えば、今でも漫画は読めないです。
コマ割りもわからないし、ストーリーも追えない。
登場人物の気持ちを想像もできずわからないです。

お笑いも、何が面白いかわからなくて、
観客の笑い声のタイミングで笑うだけのものだと
今でも思っています。

なので、少し(でもないか)変な子ではありました。
成績は何も申し分ないけど、
どこかひとりが好きで、友人は限られて、
今何考えてるかとか、どんな気持ちかとか、
自分でもわからない。
そんな子供でした。

成績は良かったので、
県で最難関とされる高校を一般受験し、
497/500点で合格しました。

でも、動機は私が行きたいからでなく、
記念受験のようなつもりでした。
受かってもすぐ辞めようと思う程度でした。

あまり、高校生活に夢やイメージはなかった。
やりたいこともなかった。
さっさと大学行くか就職し、
早く大人になりたかったです。

案の定、1年で高校に行かなくなり、
2年の終わりで退学。
通信制で高卒資格を取り、
予備校を学費全免で1年通い、
国立大学を受験、無事合格しました。

学費全免だったのは、
全国模試で2度成績優秀者で名前が載ったからです。
勉強では困らなかったんですね。

高2の夏頃から、精神に変調があったのでしょう、
授業をサボって自転車で市内を走ったり、
毎日意図的に遅刻し、遅刻王でした。
答案の中で教師に反抗したこともありました。
夕方は港で日没を見届け、貨物船を眺めていました。
非行ですね。

小説を書いたりもしました。
高3で美術予備校に入り、
デッサンや水彩や立体構成を習いました。
最初はよく褒められていました。
ビギナーズラックでしたね。

しかし、高校を卒業する2日前、
視界の中央で緑色の閃光が見えて、
その後、左目の視界が1分間真っ暗になり、
脳が青く冷たく溶けていく感覚がありました。
怖くなり、父に頼んで翌日通院を始めます。

こうして18歳から、
処方された薬を飲む生活が始まるのです。

まとめると、
幼児:文字や記号のデザインが好き
幼稚園:変な子
小学生:モノポリー、天体番号
中学生〜高1:成績良い
高2:学校に行かなくなる、中退
高3:通信制 & 美術予備校、発症・通院治療開始
浪人:予備校に学費全免で通う
大学:国立大学に無事合格

そんな10代でした。