心臓が順調に回復しているのかを見る上で大切なのは何か?  これを若い研修医に尋ねるのはやめた。なぜなら、見てればわかるから。数日間は完璧なるモニターが行われていたので、優先順位はそれこそ、心電図波形変化、心拍、血圧、サチュレーション、尿量などなど。これが、ICUを出た後は個別に都度測るようになる。研修医に君は、やたらとサチュレーションばかりを気にしていた。これは、一重に、わたしの体調を考えてと言うよりは、彼が指導医に対して自ら告げたある仮説の証明のいっかんであるとわたしには思えた。
テーチィングホスピタルでも、特にここは研修医に考えさせ仮説を立てさせ、それを追う方法が常だと感じる。
彼が立てた仮説は、術後、思うように回復しない血中酸素飽和度の値。
これが上がらない理由を循環器では無く、呼吸器に見出したようだ。とはいえ、ICU を出たばかりの患者に対して、あの吸ってーーーー!はいてーーー!の検査は無理だ。だから彼は、サチュレーションを絶えずモニターし、静脈血ではわからない、酸素結合を動脈血から調べたくてウズウズしてる。こちらにしても、動脈からの採決はあまりに気が乗らない。
第一、その仮説、呼吸器を読んで診察したほうがいいのでは?
循環器研修中の彼が立てた仮説は、わたしの既往症を見れば容易に想像できるものだけれど。
わたしの本音は、今かよ??それやるの??
だった
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