とても面白い
自分が10年近く前に書いていた恋愛小説
それを読んでいたら、この世界観を自分自身で何処かに残そうと思い立った。

なぜなら、自分自身が忘れていた世界観だから

思い出すためじゃなくて、そんな時があった と、残すのでもなく。
入口と出口の間で人は生きているから
そのために。

挿絵もこだわって



キッカケになったのはこんな落書き

=Room 2010 =

ルーム・キーに付いていたTAG NO は偶然にも2010
スキーリゾートとして一時はとても賑やかだったこのホテル。
リノベーションを経て、ある種の人々だけが宿泊するホテルへと変わってた。
暖炉には槇が燃えている。
オレンジ色の炎とは対照的に窓の景色は青みを帯びた雪景色だ。

部屋で少し時間をやり過ごして、僕らはパブリックスペースにあるライブラリーに出て来た。
ゲレンデに行くには少し降る雪が強すぎる。
ここにある書籍はどれも、洋書ばかりだ、そてもハードカバー 本の内容よりもインテリアとし
置かれているようだ。
原書のヘミングウエイを抜き出して読み始める。
昔に和訳版を読んでいたので比較的読みやすい。

主人公の男のスペインでの滞在の様子が記載されている。
死というものへの普遍的なテーマーはヘミングウエイの作品に一貫して見て取れるものだ。
死 そのあり方はいつも偶然と必然 
でもそのずれもが、時期の前後はありながらも確実に訪れる。
そこへ辿りつくまでのストーリーがすなわち人生というものだろうか。

暫く本に引き込まれている間に、彼女は火を見て過ごしたらしい。
隣のソファー、腰を降ろして、上体をこちらに向けて聞いた。
「何を読んでいるのかしら」
「ヘミングウエィだ」
「面白いのかしら」
「原文なんで 少し苦労してる」

彼女はコットン素材の部屋着だった。
デザインがとても良い。
部屋着と言っても、ホテル内のカジュアルな空間であれば、何ら問題のない服だ。


僕は彼女を見て・・・・・

こんな文章を何処かに置いておこうと思った。

台風の午後の作業としては丁度いい。