「今日は夕方から雨になるのだろうか?」

「予報は予報よね」

そう言って彼女はフロントガラス越しに低い雲を見た。
この時期、日本列島には秋雨前線が居座ったままだ。
今年は特に夏の間中も前線が停滞し続けて西は雨ばかりだった。

夏を知らないままに
秋を迎えたと言うのが、西の人たちの感想だろう。