日中国交正常化の記念イベントを30周年、35周年と携わった。そして、昨年
40周年を迎えたが、イベントは軒並み計画段階から頓挫したり、仕事として降りたりで何もやらなかった。
流れとしては無理もない結果だった。
それにしても、過去2回も、表舞台の温和なムードや友好の色彩とは裏腹に、制作の現場はとてもそんな雰囲気ではなかった。
利害の対立、感情論のぶつかり合い、思い込みの相違、実害の数々。
本当に相容れないもの同士の葛藤があった。いずれかの妥協は今にして思えば、一つのものを作り上げる時に不可避なものだと苦々しく感じた。
基本的な考えが異なる。
常識と良識が違うもの同士が仕事をするのだから対立は必然だった。
どんなに正論を掲げても、相手にはそれは正論ではないのだから仕方が無い。
現場には、罵声がこだまし、険悪さは最高潮に達したままいく日も過ぎた。
それほどまでに、難しい相手と対峙したのは、彼らとて同じだろう。
今は、この対立すら無いのだ。
関わらなければ対立は生まれない。
友好の構築には、対話も対立も避けられない。
そう、今思うのは、あの対立と苦い思いを継続させていたら、違ったものになったのではないかと。
対立に対立を重ねた上での相互理解が実現に近づいていたからこその30周年、35周年だったのかもしれないと、今は思う。
また、最初から対立し直さなければならないなら、とても残念だが、どんな形にしても再開する必要はあるのかもしれない。
次の世代で

苦労するだろうけども。