昨日の続き
現在、建築系などの労働者のうち、2次3次下請けの末端労働者に関しては極度の人材不足が発生している。
この状態になったのは、建設土木の絶対的な需要が落ち込んでいたのに、さらに追い討ちをかけた価格競だ。
所謂3K、汚い、キツイ、危険な労働に対し、対価である賃金が全く上昇する見込みすら無かった事が要因だ。
よって、これに従事する人材が、FF店員であったりタクシー運転手であったりに流れた。
同時に、彼らよりは川上に位置していた職業技術職も、同じく賃金的な問題から高齢者が育たずに高齢化し
そのままになっているという現実がある。
これにより、アベノミクスによる財政政策に対してそれを消化しきれない、つまり入札不成立が起きてしまうという
結果が起きる。
こうなると元受は死活問題、是が非でも受注しようとする。
結果下請けは、頭数のみ揃えて対応せざる得ない。
こうなると、普段はFF店員、運転手、その他にさえ就いていない人材をかき集めてくる結果になると、昨日に書
いた、およそガテンには向かない、さりとて普段はバイトの面接すら通らない人材がかき集められてくるという結果
にななってしまう。
これでは、受注した時点での、納期、クオリティー、労務管理が確保できるのか甚だ疑問である。
 
急激な需要変化に供給側は追いつかず、価格と言う調整能力を持ってしても制御の出来ない絶対的な供給
量の不足をもたらしている。
しかしながら、ここで供給量を飛躍的に伸ばしても、その需要が維持できる筈も無く、結果として一時的な粗悪な労働力にさせ需要が発生しているという負の要素を内包している。
 
国はこれにより、雇用の創出がはかれると理屈では言うものの、今この国で一過的な3K従事者を増やしても
何の問題解決にはならないのである。
むしろ必要なのは、3Kが敬遠される環境下では、極端な需要創出より、むしろ安定的な需要を継続的に生み
出す事に注力すべきだといえる。
 
それには、高い技術力に裏打ちされた労働力の創出を継続する一方で、3K労働を抜本的に見直しして、最低
でも、FF店員や運転手よりも好条件での雇用や社会的ステイタスの向上が必要だと考える。
 
他国の労働者より高い賃金にしても、内需に応えるならそれもありだ。
GDPは上がる。

ここで、移民や、海外で稼ぎを使うと言う発想はアメリカの二の前になる。

国益のためには、一定の移民や禁止も必要だ。