カルフォルニアの空
そう呼ぶにはあまりに編凡な空が広がっていた。
イミグレを抜ける、アメリカの空港で良く思うのだが、空港自体は物凄く広大なスペースなのだけれどターミナルは方面、キャリア、使途で分離されているために思いの外小さい。
イミグレからカスタムを抜けて到着ロビーの前のパーキングのビルへ入る。
乾燥した気候は確かに心地よい。
レンタカーのカウンダーで手続きをして予約したミドルサイズのセダンを受け取った。
丁度24時間のLA滞在、明日のこの時間には今日と同じターミナルの隣接するドメスティックフライトのゲートから飛び立つ。
その間に、ウェストハリウッドに滞在中の友人を訪ねる、
半分が仕事で半分はプライベートだ。
ホテルカルフォルニアではない、アメリカの一般的なホテルチェーンの一つにチャックインをして、友人とはここで会う。
友人とは久しぶりの再会だった、男同志で食事をして酒を飲み、話に華を咲かせたいのだが、場所が場所だけにそれは気が引けるのだろう、彼は女性を同伴して現れた。
「友達だ」 と彼は言っていた。
抜群に可愛い、半分アメリカ人になっている日本人だった。
この3人での宴は深夜まで続き、とても楽しい時間だった。
彼に頼もうとした仕事も彼は笑顔で引き受けてくれたので、ビジネス面でもハッピーだった。
西日がターミナルのガラスに差し込んで眩しい。
ガラスの外は、光と影が交錯する。
タキシーウエイは、各地から飛来した、また各地へ飛び立つ中小型機材でせわしない。
目の前には、これから乗る機材が既にスポットインをして待っていた。
コーヒースタンドでエスプレッソを買い求めてラウンジで飲んだ。
アメリカンスタイルのコーヒーではなく、イタリアンコーヒーが人気だなんて不思議な国だ。
でも、その紙コップのエスプレッソは良い出来だった。
ラウンジの入口に彼女が見えた。
手には、そのシアトルメイドのアイスコーヒーを持って。