世界経済は迷走を続ける
リーマンショック以降、日本経済もご覧の有様ではある。
ただし救いは、日本経済においては良くも悪くも、国家と企業のバランスがナワナワだから乗り越えられる。
いままで、経済界と国とが本気で対峙したことなんて、建国以来無いのが日本の強みであり、ダメな部分だ。
今日の主題はわが国にあらず。
問題は、かの国だ。
かの国は戦後、重工業並びに家電等の一般消費者向けの製造業が新興国との競争において不利だとみるや、外交手段を駆使して自国産業保護を強く推し進める様に見せ、実はある程度の見切りをつけつつも新産業であるIT関連に注力して米国の体質展開を進めたのだ。勿論、彼らは世界シェアの大部分を占める穀物、農産品があるのは言うまでも無いが。
かの国は、自国の産業界を常に保護していると見せつつ、実は世界の資本主義のリーダーとしての役割を長年務めてきたのも又事実である。
その外交交渉は実にプロの域に達していた。
かの国のつまずきは何処にあったのか?
IT産業の次を模索する中で、彼らが考えた次なる分野が高度な理系思考で出来上がった金融だったのではないか?
所謂金融工学に基づいたデリバティブ商品がまさにそれにあたる。
これにより、金が金を生み、かの国の経済は潤沢に成長するはずだったのではないか。
金融工学が机上の空論ではない事を証明するために、かの国は動いたのではないか。
では、なぜ・・・・・
リーマンショックの年、かの国は大統領選挙の年だった。
これにより、出来るはずの政策が出来ず。
そんな中で就任したリーダーは選挙戦の中で後手に回った課題を待った無しで取り組まざる得ない状況になる。
政権公約の実現が政権の最重要課題になってもしかたがない。
資本主義のリーダーはグローバルな役割よりもドメスティックな課題に直面し疲弊していった。
その間にリーダー不在の世界経済は、くすぶった火種からの出火により逃げ場を失う。
やがて炎上した火はもはや、かの国の力を持ってしても容易に消せるものではなくなった。
そして、2011年 それは明らかな誤算だった。
中東の金融マーケットの台頭
右肩上がりのアジア新興国の成長
これは何らの自衛能力のないマネーの暴走だったことだ。
かの国と西側の諸国の経済が衰退する中
人口の理論で右肩上がりに見えた振興国
これは、結局は資本主義に依存する発展に過ぎなかった事だ。
これにより、国際経済は西東の別無き危機を迎えている。
かの国は、いつのまにか自国救済しか見えなくなり、世界経済のチェアマンを返上するつもりなのか?
ただ、最終的な悲劇は、かの国にかわる国は存在し得ないことだ。