死は唯一生物全てに平等に訪れるものであり、突き詰めれば唯一確かなものである。そこに行きつくまでの物語は違いつつも、行き着く所は共通している。幸せな人生の価値も判断も、受け止める側の評価と他人が抱く判断とも同じではない。だから死を迎えた時に、それまでの人生は辿ってきた道筋に過ぎない。思い出すらそこまでの記憶に過ぎず、その先を何ら示すものではない。ならば、今何をすべきか。残った道のりを物語として辿るのみだ。いつ最終章になっても驚く必要もない。まして、人間は自ら幕を引く選択肢さえあるから始末が悪い。人生は移動祝祭日。