著名な建築家でも中々デザインできそうもない建築物があった。
外見は不透明ガラスとアルミの箱の様な四角い倉庫の様な建物。
大きなエントランスの扉は外の空間とはスライドする巨大なガラスの壁で隔てられる。
中の空間は外界とは一変した近代的な空間。
酒も食事も無い、人々はただ流れる重低音と電子音から構成されたトランスビートの中、流される映像と光に酔わされて行く。プレゼンテータの話はゲストとの双方向で展開し、オーディエンスの要望は即座にプログラムに組み込まれている。映像はバリの独特の彫刻やリゾートの人口建造物、南米の遺跡。中には商業カメラマンの作品らしいヌードも映し出される。ゲストは感性に満ちたクリエイター達を中心にビジネスマンや若いカップル等。会場では演劇が舞台ではなくゲストと同じフロアで公演される。やがてゲスト達は解放された精神と肉体とで会話をはじめ。欲望から解き放たれる。良識ではありえない、肉体の交わりも始まり、また別のものは殴り合い傷つけあう。
欲望の解放はエスカレートし、ケチャックダンスに等しいトランス状況が展開する。
にもかかわらず、その光景は何処かに芸術を感じる。感性は欲望に刺激され開花する。
まるでチャクラを刺激された様にエネルギーで満たされる。
ふと、感じた感覚とメッセージ。 胎児の姿は、おそらく宇宙の生命体に似ており、総ての文明や古代史に影響して、仏像の顔も南米の遺跡の大顔面像もそうだろう。
宇宙のエネルギーが人間の本能と感性を刺激する。
人類は無力にそれをうけいれる。
その空間はこんな感じ
3階まで吹きぬけた空間にバルコニー内部にめぐらされている。
壁には大画面のモニターが張られ、場内の証明と違和感無く調和している。
フロアは段差も無く、床には継ぎ目の無い素材が敷き詰められ、適度の照明を反射する。
ゲストは、無秩序に並べられたコルビジェソファーに似た皮とクロームの枠からなるソファーに腰を下ろす。
ある者は、スタンディングで金属製の丸い小さなタワーの様なテーブルを囲む。
フロアの壁寄りには、違和感無くキングサイズのベッドが置かれているのが面白い。
主催者は、30代後半から40代前半の姉妹
本業は雑誌の編集だという。