相対的な内外諸物価の差は為替に強い影響を与える。

ハンバーガー理論などと言う物を聞いたことがあるが面白いものだ。


今の円高 デフレの原因を作ったのは小泉構造改革と竹中先生の政策が根っこにある。

ただ、これは彼らの時のリダーに責任が直接あるという訳ではなく、むしろあの政策を踏襲していかなかった自民党後継内閣にあると言わざるをえない。

さらに言えば、それを決定的にダメにしてしまったのが政権交代という奇麗事だった。


為替の一面をここに事例としてあげる。

仮に10年前 日本でハンバーガーは300円だったとする。

当時の米国内の同じハンバーガーの小売価格は3ドルだったとする。

10年の月日が流れ現在の価格は 日本国内が250円 米国内は緩やかなインフレ指数でのもとで3ドル50になったとする。為替の水準を決定する一つの要因に2国間の物価水準の相対的な評価がある。

もちろん、為替はこれだけで決定するはずも無く、むしろこの影響は一部に過ぎないかもしれないが今の対ドルの市場レートを説明する一つの要素として考えて欲しい。

10年前のハンバーガー 日本300円 アメリカ 3ドル    換算レート 1ドル=100円

現在の日米のハンバーガー 日本250円 アメリカ 3ドル50 換算レート 1ドル=71円42銭


2国間の実態物価に対する為替レートは物凄い円高になっている。


では日本はなぜ、これほどまでのデフレ水準になったのか?

今日のデフレは公共料金にはあまり色濃く現れていない。

むしろ、企業が自社の利益のために価格競争を選択した分野にこそ顕著だ

では、なぜそれが出来たのか 理由は明確だ。

価格競争に打って出れる企業体力があったからに他ならない。

その企業体力を付けさせたのが、かの小泉改革だったと言えないだろうか。

先ずは企業を再生して日本経済を蘇らせる そのために生活者レベルの充足はひとまず先送り、企業が健全な利益を得られる体制にした事である。

急激に改善した企業の経営は、次なる課題であった雇用の確保や社員への還元にではなく、更なる売り上げと利益の追求に走ったのだ。

その結果、マーケットは価格競争の末に疲弊をましていったのだ。


企業経営の根っこに 利益追求 自社の成長 ばかりがある経営者が 公共性を無視した企業経営を展開した。

体力は価格低下に向けられ、デフレは文字どうりの悪のスパイラルへと落ちてた。


市場の価格は需要と供給で決定される、にも拘らず需要を価格低下で無理矢理に創出し、労働者者や下請け中小企業を省みず無理なコスト削減を行い大量に供給し続けた。


この時の愚行の清算を今まさに求められているのだ。


それには、それを理解する政府主導の経済政策が求められる小泉改革が踏襲継続されていれば糸口はあったと今さら期待を込めた回顧をしているが、現実はどうだつたのか。


ただし、少なからず ここまでの悪循環が続く事は避けられた様な気がしてならない。


今日本の企業経営陣は、かつての藩主領主の様に自己の利益を追求して民への苦労の押し付けをやめない状況であれば、間違いなく栄華を極めた日本企業は国際社会の中で淘汰されていくのだと考える。


ただ、今のままではナショナル企業が淘汰される前に、雇用される側は先に息絶える。


適正な価格をマーケットの原理により決定させる度量を企業は持たねばならない。


時代の人ともてはやされる経営者も、公共性を考えて経営を進めて欲しいと感じる。


日本国内鎖国マーケツトでの国内企業だけの外資排除の価格決定が日本を国際社会から孤立させる。


今 ゆるやかではあるがインフレ水準をキープできている先進諸外国の中で日本だけがインフレ率 マイナス

にも関らず、リーマンショック ギリシャ問題以降の諸外国の政策金利引下げ。

インフレ基調でゼロ金利の米国とではデフレ ゼロ金利の日本とは同じゼロでも実態は大きく異なる。