為替は緩やかに介入前の状況に戻りつつあり、それはそうだと・・

日本は先進諸国の中で、唯一と言っていいくらいの変則的な経済成長をしてきた。

戦後復興から特需、オイルショックを経て、バブル これは良くも悪しきも特徴的である。

ここにきて、諸外国は低成長ながらも物価水準は確実に上昇している、いわば緩やかなインフレ傾向。

一方で我が国は、緩やかなデフレ傾向で、過去20年実質的にタバコをはじめ一部の商品以外は価格変動が無い。

そんな状況においても、数年前までは企業は過去最大の利益を上げていたケースも見受けられていたのだから面白い。

企業の業績が順調な時期でも、その恩恵を生活者に還元する事なく、賃金は上がらず、デフレ傾向は改善されなかった。

今、企業は徹底的な円高対策と国際競争力の強化で生き残りをはかる。

生産拠点を海外に移し、中国 インド等の国内需要とは比較にならないマーケットにその販売を見出す。

雇用も生産拠点に従属していく。

国内の空洞化は必至だ。

国内で製造業大手に雇用される人材は、過去にはその絶対数は管理・事務系よりも直接の生産に従事する労働者だったが、もはや国内工場での生産は縮小傾向で雇用を生む事は少ない。一部の専門職の技術者や管理職等の言わばエリート社員以外に日本人の雇用は無くなりつつある。

総ての産業がその傾向にあるとは言えないけれど、我が国の基幹産業と呼ばれる業種にはその傾向が強い。

こうなると、一部の専門知識や技術を習得した限られた人間にのみ存在価値が生まれ、一般的な人間は更に厳しい雇用環境に晒される。

既に学卒でも就職が出来ないという事態になった我が国で、安定的な雇用の確保は至上命題になった。

とは言え、新興国の安い労働力に競争を挑むには、劣悪な労働環境と賃金に不平を言わずに勤めることが求められるが、それはあまりに現実的ではない。


結果、不平不満を持ち続け、適当な知識と適当な能力を持った賃金の高い労働力を経営側が必要とするはずは無いために、雇用環境は悪化の一途を辿る。少子化対策は就職できない若者を溢れさせて、より国の財政を締め付ける。国は彼らの声を吸い上げて対応を試みるも決定的な財源不足に直面する。いたしかたなく、法人税法を変えようとすると、国際化した日本企業は海外への資本流出等でこれをかわす。

これにより、公共サービスは低下し貧富の差は想像も出来ないほどの拡大してしまう。


こうなれば、食料自給率を高めそこに従事する人間を増やす。

1次産業への回帰と農村の活性化こそが今必要な政策かもしれない。

中央に金と権限が集中する現状を打破し、地方がきちんと機能し、雇用も産まれる。

極端に言えば、首都圏で失業した人間は地方で一次産業に従事する事で生活出来る仕組みになる。

人口は現時点での過疎地域に流入し、納税者も増え、地方自治の独立性が高まっていく。


何も、過去の農業 漁業をそのまま実践するのではなく、生産工学に基ずく近代的な一次産業を実践する。

むやみな、生活保護をこのまま未曾有をにふくらませるのではなく。

首都圏で職が無ければ、地方に雇用がある以上は、そちらに行ってもらい働いていただく様な仕組みも必要。


『働かざるもの食うべからず』という基本概念がこの国を救う。

福祉は本来 本当の意味の弱者救済であり、怠け者を助長するものではないのだから。

かつてこの国には移民の文化があったのだから、本来勤勉な民族だった日本人は昔に習えである。