メールにはこう書いた・・・・


侑子へ、今君は時速200キロオーバーでこちらに向っていると思います。

到着時間と、そして乗っている車両を知らせてください。


返信は5分ほどかかった。

今 熱海を過ぎました 間もなく到着です

着予定 19時・・・・・・・・


高層階の窓の外には夜の景色が広がり初めていた。

僕はジャケットを持って部屋を出た。


独特の雰囲気で新幹線がホームへと入って来る

緩やかにホームに滑り込んだ白い車体には等間隔で窓が並ぶ。

暖かな光の中に乗客一人一人の横顔が通り過ぎる。

まるで、窓ごとに物語を運んでくるみたいに。


やがて列車は完全に停車して、エアコンプレッサーによる圧縮空気の音とともに扉が開いた。

ドアの前に居る僕に、侑子は4人目の乗客としてホームに下りてきた。

車内で寛ぐには丁度いい感じの柔らかいコットン素材のシャツにスカートを合わせて着ていた。

肩までの髪に痩せた身体つき、それに反して母親ゆずりだという胸はかなり大きく目立った。

出会った頃に彼女は言った、男性は皆一様に彼女の胸を話題にするのだと。

笑いながら複雑な顔をした彼女はとても印象的だった。

幸い僕は、その話題を自分からは彼女に切り出した事のない、数少ない男性だと彼女は言っていた。


「久しぶり」

そう言ったのは彼女だった。

「そうかな、前回は先月もこうして会ったじゃないか」

「だって 先月よ あれから今はもう違う月になったのだから 久しぶりよ」

「かもしれないね・・・・ でも僕は少なくとも君に 会いたかった」

「なに その言い方は意味がありそうね 私も会いたかった だから会いにきたのよ」

そんな短いやり取りをしながらホームを降りて、改札を抜けた。

ホテルまでは目と鼻の先だ。


先にチャックインは済ませてあるから、直接部屋に上がれる事を彼女に伝えた。

そして、先ずは部屋に荷物だけを置きに行くことにした。


ロビーの照明は白く蛍光灯に近いビジネスライクなもので、人口大理石の床と相まって独特雰囲気を感じさせた。これは、このホテルチェーンに共通する所で、悪く言えばチープだけれど、よく言えばシンプルで清潔感はある。そんなロビーを抜けてエレベーターに乗った。


彼女との再会のキスは部屋にしようか、今しようかを考えた。

そして、一つのどうでも良い結論を思いついた。


エレーベーターは正確に直行運転で目指すフロアまで僕らを運んだ。

扉が開き、回廊になっている廊下を歩いた。

部屋の前で僕は彼女にキスをした。

突然のキスに彼女は驚きもせず応じた。

触れ合う唇の感触と、彼女の甘い香りが心地よい。

軽いキスの予定が少し変更になりった 最初に訪問してきたのは彼女の舌の方が今回は僕よりも早かった。

何故かセキュリティー面で考えると疑問の残る、ルームナンバーの入ったカードで部屋を空け

彼女を先に部屋に入れ後で、僕自身も入りドアを閉めた。

オートロックの音が小さく鳴った。

チェーン錠はしないでおいた。


写真は全くの無関係 お気に入りの韓国の女優



molt posso 追従できない放物線の裏側へ