そう、それは蒸し暑い東京7月半ばの出来事

それどれの場所から人々が集まったのは深夜1時を回った頃あい

クラブの女性を連れてきた遊びなれた初老の男

恋人と呼ぶには少しだけ意味合いの異なりそうな髪の長い綺麗な娘を連れた自由業とみえる男

30代 40代 50代 それぞれの年齢層の何故か3名グループの女性同士が数組

そして、とても不思議な事には男性同士のグループが居ない。


センターのステージではジャズの演奏が始まる

それぞれに意味の無い会話をしていたものたちがステージに向く

静かだけれど、重いピアノが響く

絶妙なタイミングでベースが

そして、このバンドのメインとなるサックス吹きが音を重ねる


Summer time それが今夜の最初の選曲だった


深夜のサックスは何処か物悲しく響いた


フォアローゼスのソーダ割り 80年代のスタンダード

その香りは ここの空気そのもの

隣の席では

初老の男が連れの女性の腰にあてた手をさかんに動かす

その手はやがて彼女股から膝を往復する


小気味良いビートを刻みだした リズムセクション

男の手はあくまでもnone beat


特別に美しい和服の女 ドレスの若い娘とともに

和服の女はおそらくはかなり名の知れた店の女だろうか。

完璧な立ち振る舞い、店の延長でしかない身のこなしはむしろ残念さを感じる。

この場所で、胸元が露なドレスの若い女 巻き上げた髪とうなじ、これには疲れさえ感じさせる。



フロアに立ち演奏を見ながら、両サイドに従えた男に寄り添い耳打ちする女

代わる代わる、両側の男達の耳に唇を添わせ何か伝えている。

耳打ちと同時に彼らの腰に回される彼女のノースリーブから伸びる白く細い腕

僕はこの夜この女性がとても気になった。


係わり合うならこの女が好きだ

ネコ そう、強かな猫はこのフロアでは目立った存在ではないのかもしれない。

細い身体にはっきりした目鼻立ち、ノースリーブノワンピースはシンプルだかれど、よく観るととても凝っている。

演奏が終わり、彼女が男達とテーブルに戻る、組んだ足が膝の上までスリットから見えた。

切れ込みが深いのか、太股内側のかなり上側までが見えた。


僕は彼女の足を見ていた

今夜の連れの女性は面白くない様な顔

そんなことは別にかまわない そうまったくかまわない

少なくても僕はとても楽しい


あまり眺めていたら 目があってしまった。


僕は思わず彼女に微笑んだ


彼女も悪戯な目で微笑んでくれた


とても 手強そうな微笑みだった


僕は ウエイターにギムレットを頼んだ




Blog 記事とは無関係

それにしてもこの女優さんは美しい




molt posso 追従できない放物線の裏側へ