偶然過ぎる出来事はオフィスアワーにビルの共有スペースでに

ベンディング・マシーンが四角い部屋の窓から一番遠いところに置かれ、無造作に椅子とテーブルが並ぶ。

僕はエスプレッソのボタンを押そうとしてミスタッチ

シナモン入りの甘い甘いカプチーノショコラを押した。

捨てるのも何だか

でも飲む気はしなかった。

ふと見ると、華奢で気の強そうな女性がいる。

違うフロアの住民だろう、ここで何度か会った事があり顔だけは知っている。

「ごめん 今落ちてるカプチーノ ミスタッチ何だ 良ければ飲んでもらえない」

最初状況の掴めなかった彼女だったけれど、直ぐに理解したようだ。

「シナモン入りカプチーノショコラ」

僕は苦笑いをした。

返された笑顔はとても爽やかだった。

彼女は 取り出し口から それを拾い上げた、ネイルは綺麗に飾られている。

「ご馳走様です」一言だけ そして紙コップを唇に運んだ。

僕はマシンに再びコインを入れて、今度はエスプレッソを押した。


暫くして エスプレッソが落ちた。

僕は香りを嗅いだ。


夜仕事帰りにビルの1階のカフェに寄り、エスプレッソを飲んだ。

ベンディングマシーンのやつの方が美味しいと感じた。

昼間の彼女が奥のテーブルで一人 エスプレッフォを飲んでいた。


写真は僕がお気に入りだったサイトから


molt posso 追従できない放物線の裏側へ