そう言えば 秋は雨が多い

路面を見ていて ふと そう思った

にわか雨だろうか 一眠りしたら 道路は濡れていた。

夜中に目を覚ますのは このとことよくある事

オフィスアワーの疲れが 夜になると襲ってきて 一旦は眠る

浅い眠りは 意味の無い夢を連続させて やがては 思い目覚めになる

バルコニーに出ては 考えてしまう

気まぐれな 雨に 気まぐれな自分を映す

いつの頃だろうか こんなにも 弱くなったのは

酒にも 環境の変化にも そして人間にも

しがらみの蓄積が どこかの関節にたまり 痛みを出すのかのように

情けない男は

このままではいけないと 絶えず自問しながら

答えすら 出さない

逃げ込もうと グラスにウォッカとライムを入れてステアした

飲み下すと 心が和むまえに 酔いが襲った


したたかで 気まぐれだった 男


恋人との旅行 空港での待ち合わせに行かなかった男


朝食のパンの焼き色で 別れを切り出した男


女友達の誕生日に香港まで 「おめでとう」だけを言いに言った男


そんな 男だった


気まぐれ そう すべては


今 気まぐれさえも心の中だけで