人は残酷な面を誰もが持つている。

そしてそれは時として自分も相手も気がつかない事がある。


真冬の東京から真冬の那覇に降り立った。

暖房が効いている空港のターミナルを出ると、戸外もまた暖房が効いていた。

僕らの正直な感想はまさにそんな感覚だった。

ダウンを小脇に抱えながらホテルまでの車に乗った。

もう既に街は暗闇の中、夕食がホテルで用意されていた。

刺身のイラブチャーは、そのお味以前に驚いた。

ぐるくんん も ジーマミー も本当に何となく美味しかった。

オリオンビールで元気になった僕らは夕食もそそくさに国際通りに出かけて行った。

僕らとは 僕とタカちゃん タカちゃんは同じ会社の同期。

学生時代はディスコの黒服をしていた男で何とも不思議と馬の合う男だった。


国際通りのディスコはタカちゃんが抑えていた。

コンクリートの打ちっぱなしたようなビル、何ともいえない雰囲気のエントランスからエレベーターに乗る。

ドアが開くと大音響が波の様に押し寄せた。

黒服は居ない、そドレスコードも無い大箱ディスコ照明は暗く変に赤い。

総てが僕らには旅先の出来事として心が躍った。

ダンスフロアになだれ込んだ僕らは何処に行っても変わらないスタイル、つものダンス。

女の子を探しつつ髪の毛をむやみに書き上げ サビの歌詞を口ずさむ。

時折、ホー!とか叫ぶともうそこは自分達の空間だった。

カイリーミノーグ ボーイズタウンギャング サマンサホックス 流れた汗の分だけソルティドック。


フロアの端に何ともいい雰囲気の2人の女の子。

見つけた高ちゃんが目配せをする。

両サイドから挟み撃ち それぞれの女の子の耳元に手を当ててて同じセリフ

「一緒に踊ろうよ・・・・」

そして、曲の変わる一旬のタイミングで自分達のテーブルに誘うか誘われるか。

この夜は彼女達のテーブルへ・・・・なぜならボトルがあった。

地元の〇〇〇〇〇さん 沖縄ローカル独特のキラキラした目、そして雰囲気。

何だろう古くからの飲み仲間のような会話に引き込まれていった。

カップリンングは何故かすぐに出来ていつもの、トラブルも無い。

やがて、話の面白さに何処か話の出来る店で飲もうと言う本末転倒な僕達だった。

大音量の喧騒から一旬で静かなビルの裏出口へ。

宴のあと か まつりのあと この雰囲気が実は嫌いじゃない僕らだった。


飲みなおす静かな店それは僕ら4人の共通のお約束事だった。

僕らはそのまま彼女達と自分達のホテルの部屋へ。

缶ビールと乾き物 僕らは良く騒ぎ そして・・・・・

それほど広くないツインの部屋 平行に並ぶ二つのベッドにはそれぞれのカップル。

僕達はそれぞれに疲れて そして眠った。

朝彼女達は早起きして部屋を出て行った。


そして、二組のカップルはこの日以来4人が揃う事は無かったのだけど。

僕にもタカちゃんにも彼女達一人づつにもそれぞれに後日談が存在する。

けれど、一つとしてハッピーな話は無く・・・・・ 

誰一人 ゴメンねを言わず 誰一人ゴメンね を聞けず。


ただ、彼女達はそれぞれに東京に来て、僕らはそれぞれに高額な電話代金を費やし。

国際の通りの思い出にそれぞれの本当に短いストーリーを書き加えて・・・・・





molt posso 追従できない放物線の裏側へ

この中にもストーリーが・・・・

この彼女 実は偶然ですが20年ぶりに、彼女の教え子という人にお会いしました。

出会った時の職業のまま、その道のインストラクターになられてつい3年前引退をされたそうです。

幸せな家庭をお持ちとの事で・・・・・

何とも微笑ましいニュースでした。

彼女の研修時の教えで『 内地の男はダメ』 だそうです。

なんとも・・・・