みんなだって 悩んでるんだよ
みんなだって 苦しんでるんだよ
みんなだって 淋しいんだよ
みんなだって 泣いてるんだよ
だから あなたは ひとりぼっちじゃないんだ
この広い空の下で みんなつながっているんだ
火曜日は、診察日だった。
座って待つのがあまりに苦しい私は、処置室にあるベッドに寝かせてもらうよう看護師に頼んだ。ありがたいことに、ベッドは三床とも空いていて、私は端のベッドに身を横たえた。
携帯でゲームすらする気力さえなく壁を時々見つめては、少しでも眠ろうとしていた。しばらくすると、廊下のほうから、大きな泣き声が聞こえてきた。その声は、どんどん近づいてくる。私は、目を見開いて、その声に耳を傾けた。
「嫌ーっ!家に帰りたくない!」
彼女はそう叫んでいる。
え?どうして?そうか……。
家に帰ると会いたくない家族がいるのかもしれない。幻聴や幻視がひどくなるのかもしれない。
彼女の声がとても近くなったと思ったら、看護師に付き添われて、彼女が私の横のベッドに寝転がった。まだ、「帰りたくない」と言いながら、すすり泣いている。数分後、看護師が安定剤にような注射を彼女に打っていた。そして、看護師に急かされるように彼女は、部屋を出て行った。まだ泣きながら……。
私は、この一連の出来事をカーテンの隙間から時折見ていて、胸に熱いものが込み上げてきた。
辛いのは私だけじゃない。
みんなも苦しいんだ。
みんなもやり切れなくて泣いてしまうんだ。
こう思った瞬間、「なんで私は病気でこんなにしんどい生活を送らないといけないんだ……」という思いが、少し軽くなる気がしたのだ。
みんなもおなじ
わたしだけじゃない
上の写真は、昨日の散歩で撮ったもの。飛行機雲が白く流れていた。ふと飛行機に乗れる人はいいな、と思ってしまう。
だけど、乗客の中には、体調が悪い人がいるかもしれない。身内に不幸があった人が、葬式に向かう途中で、悲しみに打ちひしがれるかもしれない。
この広い空の下、私たちは繋がっている。
悩んでる時、
辛い時、
苦しい時、
淋しい時、
みんなもいっしょ。
だから、忘れないで。
あなたは、ひとりなんかじゃないってことを。