参照:「産業カウンセリング」第6版p328
1.管理職の「公的」役割(8つ)
①部下に服務規律を守らせ、職場の秩序を維持する。
②必要な情報の収集、伝達、利用、守秘の管理を行う。
③業務目標、その達成手段などを明示し、その遂行と結果の評価を管理する。
④部下との良好な関係を形成し維持する。
⑤部下の個性、能力、キャリアを育成する。
⑥不確実な状況での問題に自信をもって対処する。
⑦上司・部下などに働きかけ、業務の改善に積極的に取り組む。
⑧組織の内外に有益なネットワークを形成し、業務が円滑に進むように環境整備をする。
2.望ましいリーダーの「個人的特性」(パーソナリティ)(6つ)
①安定性:自律性、非抑うつ性、落ち着き、自己認知の現実性など
②統率性:率先垂範、適性配慮性、判断の的確性、強気、責任感、表現力、傾聴力など
③社交性:人当たりのよさ、明るさ、オープンさ、気持ち配慮性、面倒見のよさなど
④決断性:現実性、信念の強さ、決断の速さなど
⑤思索性:論理性、思慮深さ、創造性、大局性、柔軟性など
⑥意欲性:挑戦性、積極性、粘り強さ、本気さなど
3.望ましいリーダーの「行動の仕方」(Behavior)
①「民主的」行動(ホワイト、リピット)
実験:小学生の3つのグループに、同一の工作の課題を与える。
リーダー役の大学生は、
「専制的」「民主的」「自由放任的」な言動で対応する。
結果:「専制的」 仕事の量は最も多い。
子供たちの間で、敵対行動、不平不満、依存的行動が多い。
「民主的」 仕事の量は多くないが独創性が高く、仲間意識も高く、
友好的発言が多く、満足度も高い。
「自由放任的」 仕事の量、質ともに良くない。遊びが多く、グループの
まとまりがなく、白けていた。
②「PM」型 (三隅ニ不ニ(1966年))
*ニ不ニ・・・・じゅうじ Jyuji
以下、出典:サイコタム
Pm型は、目標を明確に掲げる、仕事に対しては厳しく、
成果をあげられますが、グループをまとめるのは苦手というタイプです。
PM型は、生産性を求めつつ、集団の維持にも気を配るタイプです。
リーダーの理想像といえるでしょう。
pM型は、集団をまとめる力はある、部下の面倒見はいいなど
人望はあるのが特徴ですが、仕事では甘い面もあり、
成果はいまいちというタイプです。
pm型は、仕事の成果をあげる力も弱く、集団をまとめる力も弱い。
リーダー失格ともいえます。
4つの類型と集団効果についてもう少し詳細に見てみると、
さまざまな集団において行われた実証的研究から、
以下のような結果が出されています。
まず、集団効果の基準を部下の意欲・満足度、
職場のコミュニケーション、事故の低発生率にした場合には、
PM型>pM型>Pm型>pm型となるそうです。
また、集団効果の基準を生産性とした場合には、
短期的にはPM型>Pm型>pM型>pm型、
長期的にはPM型>pM型>Pm型>pm型となるそうです。
このことから、長期にわたって同じチームで何かに取り
組む場合には、リーダーにはM機能が重要であることが分かりますね。
4.マネジリアル・グリッド理論(ブレーク、ムートン)
5.SL理論(ハーシィ、ブランチャード)
1977年にハーシィ(P.Hersey)とブランチャード(K.H.Blanchard) によって提唱された。
SLとはSituational Leadership(リーダーシップ条件適応理論)の略。
つまり、リーダーシップとは状況によって役割を変える必要があるとしています。
具体的には「部下の習熟度」によって役割を変えるというものです。
「教示的」⇒ 「説得的」 ⇒ 「参加的」 ⇒ 「委任的」