本 2017/Jan. 003 | 天風うらら
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時間に支配されない人生
ジョン・キム
2013/4/10

印象に残った文章

今の環境を離れ、別の環境に行くことは簡単だ。だが、自分の取り組み方を変えることで、今の環境自体を自分の成長の場に変えていくこともできるのだ。

習慣には、意識的につくりあげた習慣と、無意識のうちに生まれてしまった習慣がある。一般的に、意識的につくりあげた習慣は良い習慣、無意識のうちに生まれた習慣は悪い習慣であることが多い。

そのためにはまず、自分のなかにあるたくさんの悪い習慣に気づかなくてはならない。これは未熟な自分に向き合うことと言ってもよい。
未熟な自分と向き合うのは、苦しい、孤独な作業である。

省察によって見えるマイナス面を怖がらず、それを翌日からの自分の行動や時間配分にフィードバックさせることで、自分の人生は必ず成長に向かっていく。

挑戦することで、脳はその状態に適応していく。挑戦すること自体が自分を成長させることだと気づく。そのとき、人間にとって挑戦は怖いものではなくなる。

大きな目標を実現するには、努力の加速度を上げることが大切だ。人生にも「ムーアの法則」を適用しよう。
ムーアの法則とは、コンピュータの集積回路の性能は一八カ月で二倍になるという法則である。これを内面の四つの力(思考、感情、言葉、行動)にも適用し、一定期間ごとに自分の許容量が二倍になるようにする。

前に進んで変化をもたらすものは、自分の決断と行動しかない。

幸福は、目標達成を目指して努力する今日にある。

八割は聞くことに徹し、残りの二割を話すことにあてる。自分が話すことも、二度考えていたうちの一度話すくらいの感覚でいいだろう。

相手が感情的になれば、こちらも感情に支配されるのは、人間として自然な反応である。そこで、怒りや不安が生まれるのは、相手を受け入れる器が小さいからだと考えてみる。どんなときでも相手に揺さぶられない穏やかさを維持しようと考える。そのような意思の力によって、相手が何を言ってきても動じない習慣をつくるのである。

私は基本的に他人を非難しない。
人間関係でぶつかったならば、自分に包容力が足りないのだと反省する。怒りを覚えたら、相手のせいではなく、自分の責任だと考える。

他者の意見はうのみにしないという決意を備えていないと、人は簡単に洗脳やマインドコントロールをされてしまう。対話の相手がどれほどすばらしい人であっても、その決意を変えてはならない。自分の選択や決断をゆだねるに値する意見は、世の中には存在しないのだ。

著者の視点と自分の思索をまぜ、統合されたものを新しい視点として手に入れる。それを自分のことばとして語る。そうなったときに初めて、その本は自分の糧、血肉になったといえる。

自分のなかに白と黒の二色しかなければ、あらゆる物事は白か黒によってしか分類できない。しかし、もしニ00種類の色をそろえられれば、繊細なグラデーションで世の中を把握できるようになる。
それを可能にするのが読書である。読書によって、視点を分類する際の精度と繊細度は格段に高められるのだ。

大切なのは、とどまるか変えるかではなく、それを自分の意思で選択すること、変えたいときに変えられる実力を身につけることなのである。

そして、選んだ直後からは、自分の選択を正解にしていくという決意を持つ。

すなわち相談とは、解答を得るためではなく、迷いを客観化し、より明確な視点を得るために行うのである。

こころの穏やかさとは、自分を取り巻く社会・環境の変化やその変化を受け入れる心があるということだ。それを可能にするのは、自分が人生で最善を尽くしているという自信や自負である。

相手を心の底から理解してしようと努めること。他者の自由意思を認めることこそが、自身がおだやかでいるための基本である。

自分を統制できない人間は、他者を統制することはできない。逆に、自分の内面をコントロールできる人間は、内面の器が大きくなり、人間としての魅力が格段に高まる。それにより他者によい影響を与えることができる。
他者を変えようとするならば、自分が変わることが最も近道なのだ。

内側にあるものを全部出しきっている人間には何も残らず、余裕が生まれない。

 不安を抱きながら、何も行動を起こさないとき、不安は心配に転じる。

他方、不安を次の行動への起点にするとき、不安はポジティブな意味を持つものになる。不安を感じるからこそ、人は計画を立て、努力し、少しでも不安を解消しようとする。それにより新たな局面が訪れれば、また新たな不安が生じる。そうしたら、さらに次の行動をおこせばよい。

発想は表出すると枯渇してしまうものではない。表ですればするほど、新たな発想が生まれやすくなる。

複雑な現象からシンプルな命題を導き出せる人こそ、本質を見極められる人である。

(書評)
一ページでも一〇〇字でも構わないので、本を読んだ直後に、①著者は何が言いたいのか、②それに対して自分はどう思っているのか、③さらなる考察のポイントは何か、を記してみる。
続いて、次の三セットに取り組む。①一冊の内容を三〇〇字程度にまとめる、②著者の言いたいことに対する意見を持つ、③それをもとにゼミでどんな議論がしたいのかを考える。この二段階の作業を通して、内容の理解を深めてもらうのである。

内省は瞑想ではない。

外部から情報を入力し、それに対する反応を観察することも内省し一つである。たとえば読書は、書き手の魂との対話であり、他者とかかわりながら内なる声を引き出す、よい呼び水となる。また日々の営みにおいて、自分は本当にこれが食べたいのか、ここに行きたいのか、この人のことを好きなのかといった、自分の思考を客観化に評価する瞬間も内省の時間になる。

幸福や成功について語った本はたくさんある。だが、自分にとっての幸福や成功を定義しないかぎり、それらをいくら読んでも無意味である。

内面が豊かな人は、世の中のすべてのものから美しさを見出せる。言い換えれば、いかに世の中から美しさを見出せるかで、その人の幸福の大きさが決まる。

他者に対して、許す、与えるなど、つねにポジティブに反応することで、内面の豊かさが増していく。それによって、この世界に美しいものがどんどん増えていく。

私にとって、自分を強くするための一番有効な方法は、アウェイに飛び込むこのである。境界を越える。群れから離れる。環境を変える。枠からはみ出す。方法はいろいろある。とにかく、いまいる環境の外側にでてみるのである。

逆境には三つのとらえ方がある。
ある人は、逆境が訪れたら不安になり、落ち込んだり、泣いたりしてしまう。
ある人は、逆境が訪れたら感謝し、成長のチャンスだと思って頑張る。
ある人は、自分の人生の目的は成長することであり、そのためには逆境を乗り越えることが不可欠な要素だと思っている。厳しい逆境であればあるほど成長の度合いが大きいと知っているため、自ら逆境を選択する。

物事の結果は、自分の思考と行動をの到達点として、成否が決まるだけである。