前回の続きになります。




血液検査をすることになったものの、

正直こんな大事になるとは思ってませんでした。


飲み薬か塗り薬をもらって、

それで良くなると思ってました。



梅毒?HIV?

まさか自分が?



梅毒について調べてみると、

感染しているとHIVへの感染リスクも高まる、

HIVと同時感染していることも多い。

そう書いてあるのを見つけました。


自分も30代後半、それなりに自由奔放に

過ごしてしまった時期もあって。

だからどこか怖くて、

ちゃんと検査も受けてこなかった。


自業自得といえばその通り。

だから、何に罹っていても仕方ないのかもしれない。


いや、結果を聞くまでは分からない。

梅毒が陰性なら、最悪の結果はないんじゃないか。

でも、覚悟を決めないといけないのかもしれない。


気がつくと、そんなことをぐるぐると考えていました。





検査から数日後。

仕事で残業をしていたら携帯が鳴りました。


検査をした病院からでした。

『梅毒の項目で陽性が出ました。

 今回の検査で残った血液でより詳しい数値を

 調べていっても問題ないですか?』



そう、僕の場合、HIV陽性よりも先に、

梅毒に感染していたことが分かったんです。



詳しく調べてもらうことに合意した後、

焦る気持ちでHIVについて聞きました。

ですが、今回の検査では含まれていないとのこと。

ただ、追って検査する必要はあるだろうと。



電話を切り仕事に戻ったものの、

何も手につきませんでした。






翌日。

その日は週末で夕方にもかかわらず、

病院からの着信がありました。

『検査の結果、具体的な数値も出たので、

 早急に治療を始められた方がいいと思います。

 近隣の専門医に紹介状を書きますので、

 いつ来院できますか?』


最短で病院に行ける日を伝え、電話を切りました。




その後、約束をした日に再度通院、

診察室で検査の結果を聞きました。

梅毒の検査項目であるTP抗体、RPRの項目には、

確かに+がついていました。

この2つが陽性なら確定です。


現在の梅毒の活動性を示すという項目、

RPRは173.4。普通は1.0未満とのこと。


説明が終わった後、

先生がその場で紹介先の病院に電話をして、

その日の予約を取ってくれました。


『紹介するのは感染症内科の先生なので、

 他の性病についても調べてもらえると思います。

 適切な治療をすれば治るものも多いから、

 相談しながら治療を進めてください。』


そう言って送り出してくれました。

今思えば、先生が検査をしましょうと

言ってくれなかったら…。

そして、少しでも早く治療ができるように

診療外の時間に連絡をくれた先生には、

感謝しかありません。






その日の午後、紹介先の病院へ。

感染症内科。人生で初めて聞いた名前。



緊張しながら診察室に入ると、

感染症内科の医師は紹介状を読んで、

『そっか、梅毒か。

 じゃあ、すぐにでも治療を始めようね。』

と、明るく声をかけてくれました。



正直、風邪かなんかと同じレベル?

って思うくらいだったんですけど、

そのテンション感に救われたのも確かでした。



そして、その後に恋愛対象や性交渉の相手、

セクシャリティー的な話をした後、

他の性病に関しても検査することになりました。



次の通院日を決め、採血をして。

梅毒の治療薬としてアモキシシリンを処方されて、

その日の通院は終わりました。



梅毒を治療したら元に戻れるのかなって、

この時は淡い期待をしてました。

でも、やっぱり梅毒とHIVは

同時感染していることが多いっていう情報が

頭をちらついていました。