〈ロック化、及びフォークプログレ化〉

 なんだかんだで3月下旬。笑えない早さで時は過ぎて行く。それは皆平等で、皆が皆それぞれの時間を過ごしていたに違いないことは、嘘か真か陰謀かは別として SNS を見れば分かる、という不思議な世の中である。ま、私もその一部ではあるのだが、昔のようにモーレツにブログを書くワケでもなく、SNS もほぼライブの宣伝にしか使っていないのが現状で、あまり自ら「発信」らしい発信をしていない。時折、昔から続けているこのブログに長文を書くことで十分に発信だろうと考えてはいるのだが…。
素人のおっさんがつらつら書く超個人的な内容を誰が喜ぶのだろうか?
しかも長文が流行らない世の中に…。
私は昔からマイナー嗜好な行動へと寄りがちな傾向にあるようだ。 
もはや、おっさんだから治らん。

 2月はライブが3本、その全てのライブを妻はドラムス、私はトルコウード、ギリシャブズーキ、ギター。という一般的ではない編成で「しんごとひでこロック化」を試みた。妻は昨年末からスタジオでドラムの個人練習や家でのパッドでの練習に励んでいた。1月に入り、二人でスタジオに入りリハーサルをしたのだが、最初のリハーサルで大きな問題にブチ当たった。妻のドラムがうるさ過ぎて、私の楽器の音量を上げるとハウリングを起こす。ハコ物だからあたり前だ。考えた挙げ句、ギリシャブズーキのボディにはウレタンを詰めまくった。ギターは20代後半に練習用で購入したサイレントギターもどきを引っ張りだした。
ウードは……。
サイレント・ウードを買ったった(笑)。
おかげでハウリングはしなくなったのだが…。
サイレント・ウードのボディに救いようのないダサさのメーカーロゴがプリントされていたため、我が寺島の家紋「丸に剣片喰」のシールをAma○onで購入して貼ってやった。ついでにサイレントギターにも貼ったった。
するとどうだろう!
得体の知れない楽器が、ますます得体の知れない見栄えとなり、私としては「特別な物を所有していしているぜ!」的な中二病に対しても失礼極まりない「おっさん病」のような感情が沸きき上がってきた。
それを妻に得意げに見せたところ…。
目を細めながら小声で「よかったねぇ。」と。
どうやら共感はないようだが……。
「貴女も確実にこっち側の人だろ!」とツッコミたくなったが、争いの元となるので心のつぶやきに留めておいたことは仕方がない。
夫の忖度という名の、ただの危機回避。
なにはともあれ、私は昔からマイナー嗜好な行動へと寄りがちな傾向にあるようだ。 
もう、おっさんだから治さん。

 一発目は渋谷のライブバーで、二発目は町田ナッティーズ、最後は町田Ivy にて演奏を行った。ここに貼った動画はナッティーズでの演奏だが、どの場所でもこんな感じの演奏だったと思う。
幸いどのライブも好評を得たことは大変嬉しかったし、特に渋谷では我々以外の出演者がハードコアやハードロックバンドの中で会場を湧かすことが出来たことは、大きな手応えでもあった。
反面…。
この動画の通り演奏に勢いはあるが、アラビックなMC5でしかない。演奏にタメがない。まるでコンボイが必要以上にスピードを出して、追われていない独りカーチェイス状態だ。せめてMC5ではなく、アラビックなグランド・ファンク・レイルロードか、アラビックなヴァニラ・ファッジであればと思うが…。
まだ叶わなんだ。

 しかしだ、ハードコアやハードロックやパンクに囲まれようと「演れる!」という証明は出来た。
でもこう思う人もいるだろう。
「アコースティックがしたいの?ロックがしたいの?」
答えは一つ。
両方である。
両方表現できたら良いと考えている。
それは妻がハードロックドラマーであったおかげであることに他ならない。
もちろんドラマーとしてのブランクはあるものの、下手ではない。その辺の男性ドラマーよりはパワフルだし、時間をかければ奇数拍子や変拍子も対応は可能だ。心の底から「妻よ、ありがとう」である。
そしてこの編成のしんごとひでこの在り方と音楽を育てて行きたい。

だが……

この編成でのオファーは今のところない(笑)。
どなたか、これで対バン願います。

〈夫婦デュオかく語りき〉
 一月某日、この界隈でご活用されている夫婦デュオ「相模の風 the めをと」のお二人からお誘いを受けての食事会。お二人とは SNS では繋がっており、文章や動画では見聞きさせていただいていたのだが、昨年相模の風〜のお二人が我々のライブに顔を出してくださったことをキッカケに、いつかライブを一緒にという話題になり、その前段階の集まりと相成った。
 「夫婦デュオ」二組の食事会は、やはり音楽話しで盛り上がることは必然的なのだが、我々しんごとひでこが60's 70's ロックにけっこう影響を受けていることを相模の風のお二人は驚きだったようだ。相模の風の旦那さんいしはらさんも、かなり影響を受けたようで話が大いに盛り上がったことは言うまでもない。
 音楽談議も楽しく、ライブの日取りも決まり、大変有意義な時間を過ごさせていただいたのだが。私は一つ相模の風のお二人に一つ質問を忘れてしまったことを。それは…
「夫婦デュオを演っていて、どうですか?」
他の夫婦デュオってどういう面持ちで演奏しているのか?ステージに立っているのか?という意味合いの質問だ。そう、夫婦デュオで活動をしている方々はたくさんいるだろうが、我々はあまり接点がなく純粋な疑問である。これは今度ご一緒させていただくライブで聞いてみたいと思う。

〈ペイガンズ〉
 私が弦楽器奏者として所属するまぼろしペイガンズの全体リハーサルが始まった。実は昨年でベースの坂野さん、ドラムの吉江さんが卒業。新メンバーにベースはKYOKOさん、ドラムに晃平さんが加入。いやいやいや、この音楽を出来るプレーヤーってそんなにすぐ見つかるの!?と思ったのだが…。見つかるものだ。
ヴェテランベースプレーヤーであるKYOKOさんは、さすがで、1音1音のパンチがあり、リッケンバッカーをゴリゴリ言わすもんだから、まあ一緒に演っていて気分がブチ上がる。そして最年少のドラム晃平さん…。
上手過ぎでしょ!!とビビるくらいの技術の持ち主。文章にして分析紛いのことをすることは、もはや無粋である。百聞は一見に如かず。ライブに来て観てください!!
 リズム隊が変われば、以前演っていた曲もまた新たな生命が吹き込まれて行く。その様がリハーサルを演っていてよくわかる。私は40後半にして初めて経験する、メンバーチェンジだ。しかしバンマスの千尋さんは、幾多の形態チェンジとメンバーチェンジを繰り返しながら今に至る。自らの音楽を軸に、人と音の流転と変容をどう見ているのだろうかと思う。以前に現在のまぼろしペイガンズが第何期であるか、を聞いてみた。「ん〜、簡単には説明できないねぇ♪」から口火を切り、丁寧に教えていただいたのだが、なかなかに複雑に人が出入りされていた模様。特に撥弦楽器と打楽器奏者たちの入れ換わりは、聞くも猛者共ばかり。
私が何故かその一片にいるのだが……。
今だに、私で大丈夫なのだろうかと思う日々である。
だから死ぬほど練習しますよ!!
この日までに!!