Gloria Angelicus Philharmonic Concert の感想 | パリイならてぃす

パリイならてぃす

ゲームと音楽と演奏活動の語り場。

[日時] 2018/02/11 13:30~
[場所] かつしかシンフォニーヒルズ モーツァルトホール

 

今回は、ゼノギアスの曲に絞った企画オーケストラを聞きに行きました。
初めにお断りしておきますが、私パリイはこの作品を現在プレイ中のため、大したことが書けません。
前回のロマサガ2の時みたく、小ネタをほとんど拾うことが出来ないはずです。
逆に、そういう状況で聞きに行った人はほとんどいないと思うので、今の自分にかける感想を記しておきたいと思います。

 

ゼノギアスに興味を持ったきっかけは、間違いなくこのコンサートです。
大変ニワカで申し訳ないのですが、ゼノギアスという作品を今まで知りませんでした。
ゼノサーガとかゼノブレイドは名前だけ聞いたことあるんですが、それと系統同じなのかな?っていうレベルの認識。ちょうどゲームから離れてた高校の時期だったもので。
作曲家の光田氏のことも、昨年初めて名前を知ったという有様です。長年ファンの方には睨まれそうな程の初心者なのですが…。
実は、知人がこの演奏会に出演するという話を聞きまして。
それを機に、ゲームをプレイして少しでも曲を予習して行こうという気になったのです。
PSアーカイブスにあったので、PS3で購入後、PSPにデータ移行して通勤中に少しずつプレイ…というのを約2ヶ月進めてきました。
しかし、プレイ済みの方なら分かると思いますが、次のセーブポイントに到達するまでの間隔がまあまあ長いのですね。
ちまちまと進めながら、結局序盤(具体的にはキスレブから脱出しようとする辺り)までしか進みませんでした。
それでも、ここまでで聞けた曲はどれも良かったです。

 

というわけで、今回印象に残った曲の感想を中心に書いていきます。
私は実際にゲームやらないと曲の印象が残らないタイプの人間なもので。

 

■光田様の御言葉
開幕前に、作曲者から演奏会に向けたメッセージの朗読がありました。
隣の席の女性が、この見出しのようなことを言ってて印象に残ったので使わせてもらいましたw
4月に公式のコンサートもやったり、違う作品のレコーディングで来れないけれどファンに支えられ続けて嬉しい、という内容でした。
あと、当時はCERO基準というのが無い時代の作品だったので、今リリースしたらZ指定になりそうだなぁ、なんて言ってました。お茶目な方ですねw

 

■第一部:ゼノギアス オリジナル・サウンドトラックより
・Ep1.つわものどもが夢のあと
あ、この曲は知ってる…!序盤で拠点となる場所で何度も聞きましたからね。
とても一曲目にふさわしい荘厳な雰囲気の曲です。
そんな聞き覚えのあるサウンドで最初に思ったことは、音色の混ざり具合が凄い…!
普段、イヤホンしながら音楽を意識してゲームやってると、ちょっとステレオサウンドのPAN振り(※1)で左右に揺さぶられる感じが強いなと思って聞いてたんですよ。

 

※1)デジタル音楽に弱いので的確な解説は出来ないのですが、右と左に音を分けられるステレオ音源のバランスを指定する技術的な用語のようです。

 

私がホールで聞く時に意識するのは、客席でどのぐらい音がブレンドされて聞こえてくるかということ。
奏者の皆さんも練習の中でそういう点を意識して合奏練習されてると思うんですね。
数秒聞けば、どのぐらい練習を重ねたかというのは、何度かホールで音楽を聴く経験を重ねれば素人でも少しずつ分かるようになってきます。私がそうですので。
この団体は相当練習を重ねてきてますね…だって、ゲームの音源とほぼ同じ感じの立体感を感じられるんですもの。
弦と管のバランス、まさにオリジナルサウンドトラックを生音で再現しているかのようでした。

 

・Ep2.憧憬~翼
フィールドで流れる雄大な音楽、そして…すみません、翼は分からないです(--;
名前から察すると…うんうん、きっとそういう乗り物に乗れる時がくるんだろうか。
今のところ屋内で進行するイベントが多いので、そこまでじっくり聞ける機会は少なかったのですが、一回フィールドに出てセーブしたらワンループするまで聞くぐらいいい曲です。
この作品の曲って、なんかゲーム音楽らしくなさがあるといいますか。
PSの作品だからというのもあるのでしょうが、歌みたいなんですね。旋律がとても流れるようで、唄いやすいです。
専門的なことを言うと、4度の動きがとても効果的に多用されてる気がします。そんなに聞き込んでるわけではないので、印象に残ってる動きがそれってだけですが。

 

・Ep3.大空と雲ときみと~蒼き旅人
これは両方ともまだ聞いてない曲でした。
恐らく後半の曲だと思いますが、トロンボーンのソロフレーズがカッコよかったので早く聞きたいですw

 

・Ep4.星の涙、人の想い~夜空一杯の星を集めて
これも聞き覚えがないなぁ…似たようなフレーズテーマは何かの曲で聞いてるようなそうでないような曖昧な記憶ですが。
そう、今回のプログラム、解説がないんですよ。
色んなシーンで流れるので、各自の思い出に委ねますとのこと。
細かく書いてくれるのも企画者の思い入れを感じますが、このようにあえて省くのも企画者の思い入れを強く感じます。
そして、個人的にはネタバレがなくて非常にありがたかったですw

 

・Ep5.導火線~紅蓮の騎士
これは聞いたことある!早く脱出しないと!みたいなシーンで聞きました。
後半のはボス戦かな?これも聞き覚えがあります。
パーカッションかっこいいなぁ、と思ってよく見ると…むむ?FSオケであの人見たぞ!あの人も!あの人も!!
という感じで、6人中5人がFSオケにもいた人達でしたw
でもゼノギアスの曲ってパーカッションの音色が重要だと思うんですよ。特にティンパニー、チューブラーベル、銅鑼。
演奏技術の高いメンバーが揃ってることも改めて確認できましたので、まとまったサウンドだと感じた裏付けになりました。
打楽器もすごいですが、トランペットパートの音の粒が揃ってるのも素敵でした。細かいタンギングがちゃんとそろってて、丁寧に演奏してましたねー。

 

・Ep6.グラーフ 闇の覇者~傷もてるわれら 光のなかを進まん
前者は聞いてるはずなんですが、ちょっと記憶が…割と物語の重要な設定を知るシーンで聞いた気がするので、曲よりお話が頭に入ってしまったようです。
後者のはあれですよ、教会みたいなところで聞ける讃美歌です。ゲーム内で聞いて、すっごくいい曲だなと思ってしばらく流してましたw
普通の人にこれを聞かせても、ゲーム音楽だとは思わないでしょう。まさに先述した通り。
ちょっとコーラスの調子が悪かったのかな…あまり音の綺麗な混ざり具合を感じられませんでした。具体的には、男声が弱く感じました。
実は過去に聖歌隊の経験あるので歌もやりたいのですが、あれもこれもやりたいやりたい言って何もできてないので、いいなぁ羨ましいなぁぐらいにしておきますw

 

・Ep7.予感~覚醒
これは…多分この先で聞くことになる曲でしょうねぇ。熱いバトルの曲って感じがしました。
この曲だけではないですが、盛り上がるシーンで使われる曲は弦パートのアップ(※2)で曲が締まるのが多い印象でしたね。

 

※2)弓を先から根元の方へ押し上げるような奏法。その逆で根元から弓先の方へ引っ張るような奏法をダウンといいます。…であってます?弓など触る機会のない管楽器奏者なので間違ってたらすみません。

 

■第二部:-MYTH- The Xenogears Orchestral Albumより
第一部は割とゲーム音源に忠実な編曲だったのではないかと思います。少なくとも自分が知ってる曲はそんな感じでした。
ここからは、MYTHというゼノギアス曲アレンジアルバムからの選曲だそうです。ちなみに読み方はミィスだそうです。覚えた。

 

ここで祝電紹介タイムだったのですが、ハプニングが。
「フェイとエリィが(以下混乱による自主規制)
ああああああああああここで(自分的に)ネタバレっすか!なんか物語の重要かもしれないって設定言い出したぞ!こら!
周囲の会話は聞かないように、休憩中は携帯いじったり自分の世界に入り込んでたのですが、このタイミングは想定外でした。
くそっ…不可抗力でした。でも聞いてしまったものは仕方ない。そういう展開になっていくんだなという意識でゲームをやるのもアリでしょう。
ほら、某名探偵アニメなんて、絶対解決するのが分かっててどうやって解決していくかを楽しむお話だし(ぉ

 

・Ep8.冥き黎明
んー。さっそく知らない曲から来たなぁ…。アルバムの音源どころか、元のゲーム音源すら知らないのでこれ以上語れず…。

 

・Ep9.海と炎の絆
これは序盤で聞きました!静かでうす暗い雰囲気の曲です。
ゼノギアスは曲につけられてるタイトルとか、あとはゲーム内のシナリオ進行ごとにつけられてるサブタイトル?見出し?みたいなのもちょっと捻りがあって好きです。
悪く言えば厨二くささを感じるといいますかw

 

・Ep10.おらが村は世界一
これも聞いてるはずなんですが、こんな明るい曲だったっけ?っていう…うん。その後の展開に印象が引きずられてしまってるのかもしれないなぁ。
あとはアレンジされてて違う印象に感じてるのとかもありそうだし。
ちなみにクロノトリガーで似たような曲聞いた気もするんだけど、作曲者一緒だからそう思うのかもしれないwちょっとガルディア王国入ってる気がする。
クラリネットのソロが良かったですね。優しい音色が村感を更に醸し出してます。
もしかしたらアルバムでそうなってるのかもしれませんが、この編成向けのオーケストレーション(※3)がとても綺麗でした。

 

※3)ここでの意味は、オーケストラ編成向けに音を振り分けるアレンジ作業のことを指します。コンピュータのシステム管理とかそういう話ではありません(分かる人いるのか?)

 

・Ep11.遠い約束
全編ピアノの曲でしたねぇ。タイトルの通り、何か回想シーンで使われるんでしょうかね。
むむ、ピアノの人もFSオケで見た…何人いるんすかまったくwww
弦は多分ほとんど被ってないね、管打が重複してる人多めな印象です。

 

・Ep12.死の舞踏
これは通常バトル曲だからよく聞きます。ドラクエやFFみたいな疾走感は無いんですが、内に秘めた熱さを感じる戦闘曲ですね。
スローテンポなあたりはDQ7に近いのかも。時代的にも近いですからね。

 

・Ep13.やさしい風が歌う
まだお聞きしていない曲でしたね…聞き覚えがない。

 

・Ep14.風が呼ぶ、蒼穹のシェバト
今回コンサートに行くよってツイッターで呟いたら、フォロワーさんに「シェバトに着いたら飛翔という曲がいいので、意識して聞くとゲームのシーンで感動できるかも」みたいな助言をいただいてきました。
あらゆるオススメが信頼できる人なので、この辺から意識して聞き始めました。

 

・Ep15.飛翔
そしてここに繋がるのですね…確かにこれはカッコイイ。
ここまでは割と各パートにスポットが当たるようなこじんまりとした曲が続いてましたが、一気に壮大な曲になりましたね。
実は周囲でも飛翔がいいって言ってるお客さんがいて、この作品の顔ともいえる曲なんだと思いました。
ゲームで聞ける日が待ち遠しいです。

 

ここで一旦休憩タイム。金管管・打楽器・ダブルリードパートの人は出番が無いようなのでひっこみます。

 

・Ep16.悔恨と安らぎの檻にて
・Ep17.神無月の人魚
・Ep18.lost...きしんだかけら
・Ep19.盗めない宝玉
・Ep20.最先と最後
・Ep21.SMALL TWO OF PIECES(OFF Vocal ver.)

これが休憩後にやってた曲です。2曲ぐらい、ピアノソロ曲あったかな。
タイトルからして、全部この先で聞くことになるだろう曲だと思い、雰囲気だけ味わってました。
ちょっと記憶がうろ覚えなのですが、Ep16あたりで「Gloria Angelicus~」みたいな歌詞ありました?
演奏会タイトルの由来がイマイチわからなかったんですが、もしかしたらこの辺から引用してるのかなって。
どれもしっとりとした曲で、後半になればなる程安心感のある曲調になっていきましたね。多分物語の順に沿って流れてくるんだと思います。

 

そしてアンコールで、LAHAN
最後は明るく楽しくにぎやかに、という感じでひっこんでた奏者も全員戻り、まるで宴のように楽しく演奏を始めます。
コーラス隊は手拍子を、打楽器は大きく揺れたり目立つアクションでの演奏。タンバリンのお姉さんカッコよかった!
そして、会場にも手拍子や歌を求めてきますが…すみません、難しいですコレw
私みたいなアルバム未予習の人間には辛かったです…。手拍子も、なんか一定のリズムじゃなくて、ヘンに休符はいる変則拍子だったから、予習なしじゃ辛いっすw
個人的には、じっくり聞きたいのでアンコール手拍子は無理に求めなくてもいいんじゃないかなって思ってる方です。
みんながそういうアンコールやるからうちも…みたいなのは、別にやんなくても良かったかな、ってのが本音です。
でもやっぱり長年のファンなのか、私の横とか前の席の人は綺麗に合わせてました。
コアなファンが多い作品なんだなというのをひしひしと感じる一幕でした。
最後は、奏者がハイタッチし始めたり写真撮り始めたり、なんかフリーダムにはけて行きました。
これが定期的な活動をする団体の締めなら、ものすごく内輪感を感じてしまったと思いますが、何かのゲーム的演出の再現かなと思ってとりあえず見てました。

 

全体的な感想として、ゲームというよりはサントラをなぞる演奏会でした。
ゲームも中途半端、サントラも未視聴な自分にとっては、なんでこんな曲順なんだろう?と感じる節も若干あったのですが。
でもきっと意味のあるプログラム構成なんでしょう。それを知るために、最後までゲームは進めたいと思ってます。そしていつかサントラも聞きたいです。


ゼノギアスと光田氏のファンによる演奏で、ファン向けの色合いが強かったですが、私もちょっとだけ触れ始めたこともあり、それなりに楽しめました。
演奏の良さもあったでしょう。終盤になるにつれ、一体感がさらに増してきたのを感じましたし。

オリジナルの作品・音源が愛され、さらにそれがアレンジされ、ファンによって演奏されるぐらいに愛され。
冒頭の手紙も含め、光田氏の音楽と人柄を知るよい機会となった演奏会でした。

 

(Chapter.34)