ポルトガルではここ数か月、毎日のように山火事のニュースが報道されています。

私がポルトガルに住み始めてから7年、今年が一番死者数が多く、最悪な状態です。

今年に入ってからもうすでに108名の方が亡くなり、人だけでなく家畜や野生動物もたくさん死んでしまいました。

そしてニュースでは毎日、家族や隣人、家や工場などを失くされた方の映像が流れ、見ていて悲しくなります。

林業を営む人は森が焼け果てて、もう切る木がなく、ワインやオリーブオイルを作っている人は、ブドウ園やオリーブ園が焼け果て、ワインやオリーブオイルが作れなくなりました。

この影響で、ワインやオリーブオイルの値段が上がると言われています。

 

ポルトガルでは毎年必ず山火事が起こっていますが、死者は少なく、こんなに多数の死者が出るようなことはありませんでした。

火事の原因として、たばこのポイ捨てやキャンプによる人的発火や、葉と葉が擦れ合って発火する自然発火や、雷などが挙げられます。

今回の中部で起こった山火事は、夏の間雨が降らず大変乾燥していたのと、アメリカ大陸とよヨーロッパ大陸の間に起こる台風による強風のせいで、木が揺れ葉と葉が擦れ合い、発火したと言われています。しかも何か所も同時に起こり、さらに強風で飛び火し、燃え広がったとされています。

3か月前に北部で起きた山火事は、山々に雷が落ち、風も強く、一瞬で燃え広がったと言われています。

亡くなられた方の多くは、車で逃げる途中、火に囲まれて亡くなっています。一か所ならまだ逃げれるでしょうが、いろんな箇所で火事になると、自分たちがいる場所の周りすべてが火に囲まれ、逃げ場が無くなってしまうということが起こってしまいます。

消防員をはじめ、町や村の人総出で消火に当たりますが、家に火が来ないように防ぐので精一杯。他の国から応援も来ますが、着くころにはもうすでにかなりの範囲が燃えてしまった後。今どこで山火事が起きているかをチェックするシステムもあるようなのですが、システムに上がってくるのが早いか、火が付くのが早いか。もちろん火が付くほうが早くあまり意味がありません。ポルトガルの政府はこの状況をみて対策を考えると言っていますが、まだまだ時間がかかりそうです。

これから冬になるとポルトガルでは雨季なので、山火事も少なくなると思われますが、来年の夏も同じようなことが起こらないように願います。

 

これらの山火事で亡くなられたすべての方のご冥福をお祈りするとともに、政府の被害にあわれた方への対応と、これからの山火事に対する早急な対策を願います。