ドン・キホーテはスペインの作家、ミゲル・デ・セルバンテスの小説を元にしたお話です。
彼は何度も投獄されていて、獄中生活の中でこのお話の構想を得たそう。
ちなみにこのときは税金横領で投獄されていたんだとか。
同じお話を元にした「ラ・マンチャの男」というミュージカルもありますよね。この題名を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
ラ・マンチャという村に住む郷士、アロンソ・キハーノは騎士道小説が大好きで、本を買うために田畑まで売り払っていたほど。そのうちに正気を失い、物語と現実の世界の区別がつかなくなってしまい、遍歴の騎士になりきって「ドン・キホーテ・ラ・マンチャ」と名乗り、近くに住む農夫のサンチョ・パンサを引き連れて世の中の不正を正す旅にでます。
ドンはスペイン語の敬称で、貴族や位の高い人につけられるそうです。一般人にも改まった場ではつけられることもあるそう。
「ラ・マンチャの崇高な騎士、キホーテ」みたいな感じで名乗っていたという所でしょうか。
彼が本にのめり込みすぎて、家政婦や村の人たちが本を処分しようとするシーンがありますよね。
一方、バルセロナの広場は村人達で賑わっています。宿屋の看板娘のキトリは床屋のバジルという恋人がいますが、キトリの父親のロレンツォは貴族のガマーシュと結婚させたくて2人の仲を認めようとしません。
そこにドン・キホーテとサンチョ・パンサが流れ着きます。
ドン・キホーテはキトリを一目見て、物語の中の憧れの姫ドルシネア姫と思い込みます。
ここでもドン・キホーテは宿屋をお城、宿主のキトリの父親を城主と思い込んでキトリの父親に叙任式を願いでたりと空想の中。
そんな2人を町の人たちがからかったり、サンチョが食べ物を盗んだりの騒ぎの中、キトリとバジルは駆け落ちをします。
駆け落ちをした2人はジプシーの野営に行き着きます。バルセロナの広場での明るく華やかな踊りとは対照的なしっとりとした踊りが印象的な場面ですね。
そこにもドン・キホーテとサンチョ、ロレンツォが追いかけてきて、2人はジプシーたちの踊りに紛れて逃げます。
ドン・キホーテはジプシーたちの人形劇の悲恋物語と現実がまたまたごちゃごちゃになり激昂し、さらに風車を怪物と勘違いして切り掛かり、跳ね飛ばされてしまいます。
そこから場面は気絶したドン・キホーテの夢の場へ。
キューピッドやドリアードたち、ドルシネア姫の幻想的な踊りが繰り広げられます。
ドン・キホーテの大好きな物語の登場人物なんでしょうね。
キトリとバジルはセヴィリヤの酒場に戻ってきます。そしてそこにロレンツォとドン・キホーテ、サンチョも追いつきます。
そこでバジルはこの思いが叶わないのならと自殺するという狂言を思いつきます。
嘆き哀しむふりをするキトリを可愛そうに思ったロレンツォはドン・キホーテの説得もあり2人の結婚を許すのです。
そのとたん、バジルが起き上がりネタばらし。
ロレンツォが後悔してもすでに遅く、2人の結婚式で幕をとじます。
原作はドン・キホーテの旅のお話ですが、バレエのドン・キホーテはキトリとバジルの恋物語ですね。
コンクールでもよく踊られるキトリのバリエーション。
バラにコームで華やかさをプラスされてはいかがでしょうか。
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