消え行く前に
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好きな人に、好きな人ができました

 その人は煙草が好きだった。

 煙草をくゆらせながら、奔華駆について熱く深く語る。


 私は、煙草は好きになれなかったけど、その人のことは好きになった。

 ここでは、その人のことを烟さんと呼ぼう。


 そこまで夢中になれるものがあること、その対象に精通し自分のものにしていること、そしてそれを語っているときのいかにも楽しいという表情。

 私もいつしか奔華駆を愛するようになった。烟さんのように、奔華駆を語るときの生き生きとした表情を、私もするようになった。隣に烟さんがいれば、なおさら表情は明るかっただろう。


 「その人のようになりたい」という思い。

 「その人の側にいたい」という思い。

 人に魅かれると、精神的にも物理的にもその人に近づきたくなるものだ。



 烟さんには親友の

 だけど今、私は別の男性と付き合っている。

 この恋人も、奔華駆の虜であり、烟さんの親友であり、かつては私の憧れの人だった。




書くことからはじめよう

 どんなに一般大衆を感動させる物語よりも、過去の自分がつづった日記の方が、読んでいて心が動かされる。

 過ぎ去ってしまえば、全てが懐かしく、全てが愛おしくなる。


 未来の私は、今の私が過ごすこの時間に、戻ってくることはできない。

 だから今この時の、目の前の出来事、めぐる思いを、過ぎ去った時間の置き土産に。


 まずは書くことからはじめよう。

 今の自分のこと。

 未来の私のために。