ようやく日本男子にグランプリファイナルの金メダルという栄光の歴史が刻まれた、今年のGPF。


本当に激戦でした。


さすがはグランプリシリーズを勝ち抜いて上がってきたファイナリストたち。見ごたえのあるファイナルでしたね~~。


タカヒコさん、結果は5位でしたが内容はというとなかなか収穫があったのではないかと思います。



ジャパンオープンからスケートアメリカあたりでは、演技後半から少しずつ疲れが見え隠れして、小さなミスが出やすかったロンド・カプリッチオーゾ。


比較的体力はあると思っていたタカヒコさんが、かなりヒイヒイ頑張ってる印象でしたので、こりゃあ完全に自分のモノにするのには結構時間がかかるんじゃなかろうかと秘かに心配(?)していたのですが、ファイナルに来て、ようやくプログラム全体をコントロールすることが出来始めたように見えました♪


今回ジャンプでは痛恨の失敗がありましたが、ひとつひとつのエレメンツをしっかり、丁寧に落ち着いてまとめあげ、演技後半からの、時間とともに疲れるどころかどんどん洗練され、どんどん伸びやかに滑っていくタカヒコさんにすっかり惹きこまれてしまいました。


またジャンプに関しても、昨年来、信頼性に不安を感じざるをえない状況の中、着実にステップアップしてきています。1シーズンに数えるほどのチャンスしか与えられないフィギュアスケートの試合ですが、ファイナルでとうとう、加点のつくクワドを複数回、決めることができたのも、大きな収穫です。


もちろん、結果をみればわかるとおり、今や本格的なクワド時代。ひとつ二つの加点では、武器としてはまだまだ不十分ですし、他のファイナリストたちに比べれば、成功する確率も残念ながら低い。


そこを、なんとかして追いつき、追い越さなければいけない「壁」としてとらえるのか、やがてたどりつくゴールまでの「伸びしろ」として考えるのか。


いちファンとして、お気楽なのかもしれませんが、私はそこを「伸びしろ」として期待したいと思います。


ジャンプだけではなくて、すべての要素と音楽、そしてタカヒコさんならではのピュアなスケートを織り交ぜて、ヒトツ美しいタペストリーを仕上げてほしいものです。


ただし。


タペストリーを作るのには非常に手間暇がかかるのも事実。そして、フィギュアのシーズンは、残酷なほど短いのです。

限られた時間の中で、いかに「いいもの」---受け取る側だけでなく、作る側が納得するものーーーを作るためにも、まだまだ体力的にも精神的にも追い込まなければならないと思います。


世の中には、2種類の「いいもの」があります。


一つは手頃で、見栄えもよくて最新の素材と技術を駆使した量産できる既製品。


もう一つは、希少で、飾り気はないが天然の高品質な素材と、大切に受け継がれ、磨きこまれた職人の腕でしか作れない一点物。


天然素材とケミカル素材を上手に組み合わせて、いいとこどりなモノを作るのが今の主流ですが、ヒトがつくったケミカルな素材やモノは、華やかなステイタスがある反面、時間とともに必ず、劣化していくものですし、トレンドは必ずコピーされ、量産されてすたれてしまう。


だからこそ、常に新しいものが歓迎される反面、手作りでしか作れない、時間もコストもかかってしまう、一見古くて地味なモノから醸し出される「本物」の香りにこそ、抗いがたい魅力を感じてしまうのでしょうね。



・・・・・なんだか話がだいぶ遠くにいってしまったような気がしますが・・・・ゴホゴホ。



まあつまり、私にとってのタカヒコさんは、この2種類の「いいもの」でいうところの、後者であるというワケです。・・・古いとか、地味とか、そういうのはあくまでも「たとえ」ですから・・・(;´▽`A``へへへ♪



なので、いままで作ってきた世界を壊してまで、急ぐ必要はまったくないと思います。時間とともに心も体も成長しているはずですから、一つ一つの目標をしっかり立てれば、そこにコンディションを合わせていくこともできるようになるはずです。


昨年からのタカヒコさんを見ていると、「小塚崇彦」という、新しい一点物が少しずつ、カタチを見せてきたのかな、という感じ。


本当に自信をもって、この新しい一点物を世に出すまでにはまだもう少し、「産みの苦しみ」があるのかもしれませんが、ファンとしてはその時間も楽しみに、待っていたいと思うのであります。


それがもちろん、オリンピックという華やかな舞台であれば喜びもひとしおでしょうけどネ( ̄▽+ ̄*)



さて、ファイナルが終わったとなると、いよいよ次は全日本選手権です。


世界選手権のチケットを勝ち取るためにも、なんとしても結果を出したい、いえ、出さなくてはいけない大会です。


ファンとしてはもう、心の準備はできてますから、あとはタカヒコさん、あなた次第ですキラキラ

うっすらと見えてきた「小塚崇彦」という一点物の輪郭が、そろそろハッキリと見えてきてもいいと思いますよ♪ 楽しみにしています☆



ファイナルを戦い抜いた、すべての選手に感謝と拍手を送ります。 ありがとう!