性格プロファイリングは事件の 核心を明らかにする 「性格プロファイリング」について、あらかじめ予想される誤解を解いておきます。個人の家庭環境、生育歴を探っていく「性格プロファイリング」の目的は、ご本人やご家族を糾弾、非難するためでも(たとえば、「親が全て悪い!」)、ご本人やご家族の人間性、人格を否定するためのものでもありません。 岡村容疑者を引き合いにすれば、「性格プロファイリング」の目的は、殺人を犯して自殺した岡村容疑者が、生まれてから、何をどう考え、行動してきたか?いわば、生まれてから蓄積されてきた無意識を浮き彫りにすることなのです。 岡村容疑者を「性格プロファイリング」することによって、当のご本人でさえわからない、こんな「どえらい」事件を起こした本当の理由を明らかにすること。それは、他ならぬ殺された中村俊希君やそことでしょう。世間から極悪人と責めたてられるどんな個人の命もかけがえのない命です。だからといって、中村俊希君殺害の倫理的、法的な責任が消去されるものでないことはもちろんの事です。その責は彼一人が背負うべきものです。 私は、この事件の核心を公開することが、自分の社会的義務だと考えます。それが、この事件を真に「教訓化」することだと信じています。 岡村容疑者の家庭環境と生育歴 新聞、週刊誌等で、私が収集した限りでは、岡村容疑者の家庭環境、生育歴は、以下のようなものです。 家族構成 続 柄 年 齢、学歴等 父 不明(岡村容疑者が中学1年生時、病死) 母 50歳 兄 26歳(国立大学卒) 岡村容疑者 21歳(高校卒業後無職) 中学校時代は、学年で10番前後の成績。母親は、「うちの息子は頭がいいのだけが取り柄で・・・」 と近所に自慢するほどだった。 友人によると、「感情を表に出さず、自己主張しないタイプ」 高校受験に2度失敗した。第一志望は、私学の名門校。第二志望は、府立の進学コース。(京都府) は、各高校に2コースが設置されている。学区内の志望高校に志望順位をつけ、学校別にでなく、 コース別に試験を受ける)府立の中堅進学校に進学。 高校一年生頃から不登校気味だった。高校二年生の秋頃からは一年間休学。その後は、引きこもりがち。 学校は、卒業の意志のない岡村容疑者を説得して、追試験を受けさせ98年3月に卒業させる。卒業後も 岡村容疑者は、学校に卒業の取消を求めた。 大阪府立三島高校への手紙 私は卒業前の長い間、高校の教育に不満があって、高卒に(勉強していないなどの) 悪いイメージがありました。だから、卒業したくなく、中退しようと思っていました。 中退して大検をとり、大学受験をすることや自分でなっとくするレベルにしてから通信を 卒業することをしようと考えていました。 僕の場合、卒業は間違っていた。この卒業という結果になってしまい、僕の考えがしっかりして いなかったり判断をまちがえたのももいくらかありました。卒業前、先生と話していて、お互い 勘違いしていた部分もあったと思います。学校の先生にも原因はあると思って、考えていま す。今、高卒でいてもとても気分がわるく、私の人生が(この分に関して)わるくなったと思います。 1999年3月 大阪府立三島高校へ宛てた岡村容疑者の手紙より抜粋