いやぁ、もうウンザリしますね、ホント。え、何が? って、連日 TV が流し続ける " 吉本興業問題 " ですよ。小生は TV のお笑い番組などもう何十年も見ていませんからよく知りませんが、聞けば、若手や中堅のタレントが謝罪会見していたかと思うと、♪ 社長が出てきて「コンニチハ~」とばかりに、しどろもどろの記者会見を5時間半もダラダラとやったとのこと。会見する方も、取材する方も、放送する方も、はたまた、それを見る方も激バカなヒマ人揃いです。

 今回の吉本興業問題は 1)数人の同社所属(?)タレントが同社を通さずに営業 --- 闇営業をした、2)その営業先が反社会的勢力だった、3)当該タレントはその際に報酬を受け取っていた、4)この一連の流れを週刊誌がスッパ抜いた、5)当該タレントと吉本間の話し合いの結果、当該タレントが謝罪会見をした、6)世論の批判が起き始めた、7)吉本の社長がダラダラと説明&謝罪会見に及んだ、という流れですね。

 問題を整理すると、当該タレントが闇営業の相手先が反社会勢力、すなわち暴力団と知っていて営業をしたのなら、それは 暴力団対策法 に抵触する行為で、処罰される可能性もあります。また、当該タレントの行為が吉本を通していないことを単に 闇営業 と批判するのではなく、当該タレントと吉本間の契約内容を精査する必要があります。具体的には雇用契約か、業務委託契約かですね。そして、業務委託契約の場合、さらに契約内容を精査すべき。

 つまり、雇用契約か業務委託契約か、業務委託契約の場合はその内容が不明ならば、当該タレントが一方的に批判される筋合いはありません。そして、社長の会見で明らかになったのですが、吉本の社長は「タレントと契約書を交わしていない」と言い放ったそうですから驚きです。もちろん、契約自体は口頭のみでも成立します。しかし、それは雇用契約の場合は違法ですし、業務委託契約の場合も好ましくないのは明らかです。否、もう論外です。

 実際、公正取引委員会は事務総長名で「契約書面が存在しないということは、競争政策の観点から問題がある」と指摘しました。コレは一言で言えば、" 契約書をつくらない吉本という会社はブラック企業の疑い濃厚 " ってこと。吉本興業のココまでのいい加減ぶり、もう、呆れるを通り越して笑うしかありません。ま、笑っちゃいけませんけどね。こうした " お家騒動 " の結果、吉本については、別途、新たな、かつ、大きな問題が知られるところとなりました。

 その問題とは、吉本興業と政府系ファンド " 海外需要開拓支援機構 " との関係です。聞き慣れない 海外需要開拓支援機構 ですが、通称は クールジャパン機構。同機構は アベノミクスの成長戦略の一つとして、海外に日本文化や商品を売り込む企業の支援をすること を目的として2013年に設置され、昨年春までに合計620億円が税金から投じられています。ところが、支援はうまく行かず、直近までの累積赤字は約179億円!

 つまり、クールジャパン機構はタックスイーター、否、税金を貪るシロアリです。このシロアリ機構に食い込んでいるのが吉本興業。吉本は既にエンタメ事業として22億円の投資を受け、さらに教育事業として100億円の投資を受ける予定だというから驚きます。要するに、吉本は安倍政権からちゃっかりオイシイ思いをさせてもらっているってこと。どうりで大阪の TV では吉本のタレントらが 安倍政権ヨイショ、野党ボロクソ発言 を繰り返すわけです。

 それだけじゃありません。参議院議員選挙前の4月には安倍晋三総理自らが G20サミット 成功のためとして、なんばグランド花月で吉本新喜劇に出演していました。一方で、安倍政権はいわゆるカジノ法案を強行採決し、日本にカジノを誘致することに力を入れています。このカジノ構想、実は維新の会創始者の 橋下徹 氏が言いだしっぺの一人。で、維新の会の松井一郎大阪市長と吉村洋文府知事はアメリカのカジノ王 シェルドン・アデルソン と仲良しです。

 実際、2017年夏に松井&吉村両氏は訪米してアデルソン氏と会見しており、直後、アデルソン氏も訪日して両氏と会見しています。そして、カジノ法案は2018年6月に衆参の国会において自民公明の政権与党+維新の会による賛成多数で強行採決され可決されました。もうバレバレの構図です。ココまでを分かった上で、知っておくべきことは " アデルソン氏はラスベガスのカジノ王であるだけでなく、トランプ大統領の有力スポンサーでもある " ってこと。

 つまり、安倍政権と維新の会のカジノ構想は アデルソン ⇒ トランプ大統領 ⇒ 安倍政権&維新の会 という人脈によるものであり、カジノで儲かったお金は、この逆の流れで、アデルソン氏のフトコロに転がり込む構図です。結局、自民党も公明党も維新の会もすべてアメリカ様 --- 正確に言えば、トランプ大統領を通じてアメリカ資本に牛耳られているってこと。この構図に吉本興業もコッソリちゃっかり一枚も二枚も噛んでいるのでしょう。

 なぜなら、カジノができれば、場所は高級ホテルとなります。高級ホテルができれば、カジノで遊ぶお金持ちダンナ衆の家族、すなわち奥さんや子供たちが楽しむショーを提供するために、吉本タレントの出番が回ってきますから。現在、経営危機がささやかれている吉本興業にとって、大阪に限らずカジノ実現は千載一遇のチャンス --- それが吉本の起死回生の起爆剤であり、当然、安倍政権強力支持、加えて維新の会も熱烈支持、ってな具合でしょう。

 それゆえ、大阪の TV では吉本のタレントらは臆面もなくのべつまくなしに 維新の会ヨイショ発言 も繰り返すわけです。TV の吉本タレント見て笑っている庶民は知らぬ間に洗脳され、自民党&公明党+維新の会に食い物にされているという次第。結局、森友学園といい、加計学園といい、吉本興業といい、すべて資金繰りに困っている 安倍友 に何らかの政府資金 or 国有財産が流れ込むという構図です。

 この構図、ファシズム体制にはよくある 縁故主義(ネポティズム) です。ファシズム体制のトップに親しい人間だけが不当な利益を得るわけです。ファシズムは 全体主義 とも訳されますが、大多数の国民が思想統一を強制される --- 全体化 されるだけで、権力者自身は自由にやりたい放題です。一部の権力者とそのシンパのみが不当利得を得るのですから、それ以外の大多数の国民の生活は苦しくなるばかり。今の日本がまさにその状況です。

 それだけ、安倍晋三政権がファシズム体制化しているわけです。もちろん、生活苦にあえぐ大多数の国民を放っておけば、デモや暴動が頻発しますし、果てはクーデタや革命の心配すらあります。そこで、権力者が用意する手っ取り早い対処法が 危機を煽る こと。「尖閣諸島がぁ」も「北鮮のミサイルがぁ」も、今回の「韓国をホワイト国から除外」も 1)分かりやすい敵を作る、2)国民の間に危機を煽る、という安倍政権の国民誘導策ってこと。

 ちょいと歴史を振り返るならば、ヒトラー率いるナチスのナンバー2だったヘルマン・ゲーリングは「自分達が外国から攻撃されていると説明するだけでいい。そして、平和主義者については、彼らは愛国心がなく国家を危険に晒す人々だと公然と非難すればいいだけのことだ」と述べています。要するに、独裁体制の権力者は分かった上で国民を洗脳し誘導しているのです。

 しかし、政権与党のこうした 国民誘導策 = 洗脳工作 はやがて必ず失敗します。なぜなら、政権与党が洗脳工作を行うということは、政権与党の国内政策が失敗していることを意味するからです。国内政策がうまくいき、国民生活が安定し満たされているなら、政権与党は無理をして洗脳工作などする必要はありませんからね。そんな中、わが国でも今回の参議院議員選挙で明らかになったように、れいわ新選組の山本太郎氏のように洗脳から 目覚めた政治家 も出始めています。

 2割弱の自民党に投票した人々と5割弱の選挙に行かない人々、あわせて7割近い国民がわが国の民主主義を危うくしています。「北鮮のミサイルがぁ」やら「中共が尖閣諸島にぃ」などと煽る政府やその御用メディアに踊らされ、挙句の果てに「今や護憲派は時代遅れ」やら「憲法改正の議論はすべし」などと知ったかぶりで口にする人々も同罪。大多数の国民サイドから「憲法のここを変えて欲しい」との制憲事実もないまま、憲法改正を主張するのは激バカです。実際、安倍総理は「改正内容は各党で議論すればいい」ですから呆れます。制憲事実など微塵もないことを前提にしている激バカぶりです。

 いいですか、皆さん。安倍政権はアベノミクス3本の矢の1つとして 成長戦略 をうたい続けています。ところが、その成長戦略は、加計学園で問題になった 国家戦略特区 といい、吉本興業が出資を受けた官民ファンド クールジャパン機構 といい、大風呂敷を広げる安倍友らが政府から破格の支援を受けるという構図= 縁故主義 でしかありません。間違っても安倍晋三がワメく憲法改正論議などに乗っちゃダメですよ。乗ってしまえば、あなたは完全に食い物されますよ。(2019/08/03 記述)
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