2018年10月29日、インドネシアの格安航空会社 ライオン・エアー 社の ボーイング 737 Max 8 がジャワ島沖合いに墜落し、乗客乗員189人が死亡したと見られています。続いて、2019年3月10日、エチオピアのナショナルフラッグである エチオピア航空 の ボーイング 737 Max 8 もアディスアベバ空港を離陸直後に墜落。乗客乗員157人全員が死亡しました。

 半年もない中で同型機による2件の墜落事故。しかも、両事故とも 1)事故発生は共に離陸直後、2)共に機体は機首から落下、3)パイロットが操作に困難を感じていた --- むしろ、機体制御自体ができていなかった、との3つの類似点があります。こうしたことを踏まえれば、同機に何らかの問題があると考えるのは自然でしょう。

 一方、報道によれば、同機を製造したボーイング社は「737 Max 8 の安全性には完全な自信がある」と発表しています。このボーイング社の姿勢、私たち日本人にはどこかで聞いた気がします。そうです、原子力発電所に関して、原発を所有する電力会社や政府、関係者らが似たようなことを言ってました。「原発は絶対に安全だ」と。

 フクイチ事故を経験した日本人でも、未だ " 原発は安全である " やら " 安全なのだから再稼動してよい " などと話している人が少なくありません。あるいは "  原発のことはよく分からないから " と判断を留保している人もいます。ぶちまけて言いますが、こうした人たちはただの 激バカ です。こうした人たちは、もう、人間を辞めたほうがいい。

 そもそも、人間という動物は 必ず失敗を犯す存在 です。個人的問題だろうと、社会的問題だろうと、科学的問題だろうと、必ず失敗する or 間違う --- それが人間です。もし、あなたが「自分は間違いを犯さない人間だ」と思っているのであれば、一度、病院に行くべき。誇大妄想狂か、統合失調症の疑いがありますからね。いずれにせよ、精神病の疑いが濃厚。

 あからさまに「自分は間違いを犯さない」と言うほどではなくとも、話す言葉の中に 絶対に~ やら 完全に~ などという絶対性&完全性を表わす言葉を使う人も危ない。約20万年前に現在の人類である ホモ・サピエンス が誕生して以来、私たちが獲得した 完全に正しい事実 は 1)人は必ず死ぬ、2)過ぎた時間は戻せない、の2つだけなのですから。

 ですから、この2点以外について、絶対に~ やら 完全に~ などという絶対性&完全性を表わす言葉を使うこと自体が、そもそも、間違っているということになります。よって、会話の中に、あるいは、文章の中に、こうした言葉が使われている場合、「まず、疑え」ということ。ボーイング社の「安全性には完全な自信がある」というコメントも同様です。

「安全性には完全な自信がある」との発言を知ったならば、反射的に 1)人間が行うことに絶対や完全はない ⇒ この発言はウソ、2)飛行機の安全性という重大問題でウソを言った ⇒ こんな状況でウソを言う人や会社は信用できない、3)我が身を守るため、こんな人や会社とは係わりを持たない、という3点を考えるようにすべきです。ダマされて泣くのは、いつも庶民ですからね。(2019/03/17 記述)
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