昨日、いよいよ、森友学園への国有地不正売却問題が司法の場に移されました。今朝の朝日新聞が社説で触れています。まずはシェアした社説をご一読ください(以下に転載済み)。

 なお、個人的には、籠池氏らの補助金詐欺&同未遂容疑は森友学園疑惑の第一ラウンドに過ぎないと考えます。籠池氏らの裁判に続き、財務官僚らこそ主犯と考えられるのですから、彼らの刑事責任こそ、追求すべきです。

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朝日新聞 DIGITAL (2019年3月7日付)
【 (社説)森友問題 国会が全容の解明を 】

 森友学園への国有地売却問題が明らかになってから2年余り。前理事長の籠池泰典、妻諄子(じゅんこ)の両被告に対する刑事裁判が大阪地裁で始まった。
 学園側が国や大阪府、大阪市から補助金をだまし取ったとされる事件である。両被告とも争う姿勢を示したが、証拠に基づく厳正な審理を期待する。
 忘れてならないのは、森友問題を巡る疑惑の全体像は、より広く、深いことだ。

 財務省はなぜ、省の内規から外れた特例で学園と国有地の貸し付け契約を結んだのか。その後、土地の鑑定価格から8億円余、8割を超える値引きをして学園に売却したうえ、価格を非公開にしたのはなぜか。決裁文書の改ざんという不正をしてまで、何を隠そうとしたのか。
 公平であるべき行政が大きくゆがめられたと言うしかない。公金の出入りをチェックする会計検査院にうその資料が出され、国会でも改ざんした資料の提出と虚偽答弁が重ねられた。
 その結果、国会が果たすべき行政監視の役割は妨げられ、機能しなかった。民主主義の根幹が揺らいでいることを、いま一度思い起こさねばならない。

 市民らからの告発を受けた検察は昨年、財務省幹部ら対象の38人全員を不起訴処分とした。それが妥当かどうか検察審査会の審査が続いているが、刑事責任の追及とは別に、全容を解明することが国会の責務である。

 国土交通省は2月、国が大幅値引きの根拠とした土地の試掘調査の写真について、複数の穴を写したという3枚の写真が同じ穴のものだったことを認めた。地中のごみの撤去費用から値引き幅を決めたというが、国が主張する深さまでごみがあったのか、疑惑は深まる。
 それにもかかわらず、森友問題をめぐる国会の審議は乏しい。6日の参院予算委員会では野党から質問が出たが、議論は深まらなかった。安倍首相は「司法の手が入り、処分もされた。麻生(財務)大臣のもとで検証が行われ、処分もなされた」と答弁し、問題は決着済みとの認識をにじませた。

 しかし、文書改ざんに関する財務省の調査は、国有地を担当する理財局の事案として片付けた。国会で虚偽答弁を続けた局長を「適材適所」と評価した麻生氏は責任をとらないままだ。
 安倍首相の妻昭恵氏は、森友学園が開校を目指した小学校の名誉校長に就いていた。このことが問題の背景にあるのでは、という疑念は消えない。
 幕引きは許されない。国会が問われている。
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 いかがでしたか、皆さん。

 まず、確認しておきたいのは、籠池泰典被疑者と妻の諄子被疑者が昨日始まった刑事裁判で責任を追及されているのは " 国や大阪府、大阪市の補助金計約1億7700万円をだまし取った詐欺及び詐欺未遂の嫌疑 " です。

 そもそも、刑事裁判とは被疑者が " わざと犯した法益侵害の責任 " を追及するものです。籠池夫妻の嫌疑では、法益侵害は 国及び大阪府&大阪市の補助金約1億7700万円 となります。この点をよく覚えておいてください。

 一方、この森友学園疑惑事案では、財務省が管轄する約9億5600万円の 国有地 を約1億3400万円で籠池氏らが経営する森友学園に売却したことも問題になっています。8億2000万円(!)もの値引きがなされたのですから、当然です。

 シェアした朝日新聞の社説でも「土地の鑑定価格から8億円余、8割を超える値引きをして学園に売却したうえ、価格を非公開にしたのはなぜか」とズバリ指摘しています。

 言うまでもありませんが、国有地とは日本政府が保有・管理・管轄してはいますが、根本的には全国民の財産です。けして、財務官僚らが所有しているわけではありません。彼らは職務上、その国有地を保有・管理・管轄しているだけ。

 担当した財務官僚らは " なぜ、8億2000万円もの値引きをしたのか " について国民にしっかり説明する義務があります。財務省は値引きの理由として、「当該の土地の地中深くにゴミが埋まっていたから」と国会で説明していました。

 しかし、野党議員などの追及で 1)当該の土地には大してゴミは埋まっていなかった、2)財務省が証拠として出してきた写真は撮影角度を変えた使い回し写真だった、ことも明らかとなっています。

 要するに、財務省の言い訳は真っ赤なウソだったのです。刑法に 背任罪(第247条) という犯罪が規定されています。罰条は " 5年以下の懲役もしくは50万円以下の罰金 " ですから、結構、重い刑罰です。

 背任罪は " 他人のためにその事務を処理する者が、自己もしくは第三者の利益を図り又は本人に損害を加える目的で任務に背く行為をして、本人に財産上の損害を加える行為 " とされます。

 これを件の財務省の官僚らに当てはめると、他人のためにその事務を処理する者=担当官僚、第三者の利益を図り=森友学園(籠池氏ら)の利益を図り、本人=日本政府又は日本国民、財産上の損害を与える行為=8億2000万円もの値引き、となります。

 しっかりと背任罪の要件に該当することが分かります。先ほど、刑事裁判は " わざと犯した法益侵害の責任追求 " と言いました。この わざと の立証が難しい。しかし、この点、財務省の官僚らは公文書改ざん及び公文書偽造などを行っています。

 つまり、件の財務省の官僚らは、この国有地大幅値引きがマズイ案件であることを理解していたからこそ、その売買に関する公文書を改ざん、偽造したこと --- 実はこれら文書改ざん&偽造も犯罪行為です --- は間違いありません。

 もっと言えば、籠池氏らが安倍晋三総理と親しく、かつ、昭恵夫人が名誉校長に就任するなど、森友学園の国有地購入は総理案件だからこそ、財務官僚らは籠池氏らの横紙破りに手を貸したことは誰でも分かるはず。つまり、件の財務官僚らは わざと やったことは明々白々。

 ここまで考えてくると、財務省による森友学園への国有地不正売却事案は、まさに背任事件そのものと分かります。にもかかわらず、大阪地検特捜部は件の財務官僚ら全員を不起訴処分にしました。

 同時に、これだけ明かな事案を立件できない大阪地検特捜部など解体すべき。こんな連中に高い給料を払う国民は、国有地を騙し取られ、件の財務官僚らと大阪地検特捜検事らに高い給料を払わせられ、もう舐められまくりです。

 しかも、件の財務官僚らが行った法益侵害は8億2000万円であり、籠池氏らの詐欺&同未遂嫌疑の法益侵害は約1億7700万円。一体どちらが重大な犯罪なのでしょうか。

 2つの法益侵害の差=6億4300万円が安倍総理夫妻への忖度料ということになります。この状態で、なお、安倍政権を支持する4割近い国民は人間を辞めた方がいい、と思います。バカも大概にしろっ! です。(2019/03/07 記述)
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