去る10月22日に投開票された第48回衆議院議員総選挙の大勝を経て、安倍晋三政権の独裁化は一層進んでいるようです。この先、どういう事態が国民を待ち受けているのか、空恐ろしくなります。否、安倍政権の強権発動、すなわち暴走は既に始まっています。皆さん、まず籠池泰典&諄子夫妻の長男 佳茂氏の Facebook への投稿をご一読ください。今後はこうした事態が皆さんの身にも降りかかってくることを覚悟しておくべきでしょう。

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本題に入りますが今日で両親が勾留されて丸3ヶ月が経ちました。
7月31日に勾留されて以来、接見禁止が解けません。家族とも会えないのです。冷静に見て異常な事態ではありませんか?

この国の司法は一体正常に法治国家として機能しているのでしょうか?法務検察の機能を知り抜いた人間がある意図を持って両親を軟禁したのではないかと思うのです。 皆さん、よくよく考えて欲しいのです。この国はれっきとした近代国家であり、立憲民主主義国家なのですよ。
私は流れを側で見ている身内であり、一人の世を思う国民として言っています。

拘束する事によって何も出来なくさせ、全ての社会的地位や経済的自由を或いは表現の自由を弾圧しているのです。しかも誰よりも国を思った愛国者をです。

母は関係ありますか?母が細かい実務に精通していると思われますか?
政治的弾圧の何物でもないと思うのです。やり過ぎですよこれは。
私は今、口を閉ざしています。何故ならば親を思うからに他ならない。しかし待てど暮らせど一向に状況は良くならない。いい加減にして欲しいと思う。

私ははっきり申し上げ愛国者です。来る日も来る日も国や社会の事を考え続けて来ました。
本案件が起こる前からずっと。
もう良い加減にしてもらえませんか?この国は一体どうしてしまったのでしょうか?

いつから独善的国家になったのでしょうか?
本当にやり過ぎなのです。
私はそれでも我慢しています。良識を信じているからです。
父や母を解放して下さい。明らかに政治の弾圧。権力の弾圧だと思います。

父や母はいち民間人なのです。皆さん、民間人がどれ程この間に社会の玩具にされましたか?
たかが少数の人間の性格によってです。
これぐらいに致しますが、立憲民主主義の国家であるならば良識ある采配を
強く求め勾留3ヶ月の言葉と致します。国民の皆さん、本当に考えて下さい。
お願い致します。
          籠池佳茂
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 いかがですか、皆さん。籠池佳茂氏の両親を思う気持ちが伝わってくる投稿ですね。投稿をよりよく理解するために、刑事手続きについて少し補足しておきます。


 通常、何らかの犯罪の嫌疑をかけられ、警察に逮捕された場合、警察は48時間以内に被疑者(=逮捕された人)を一定程度取り調べた後、その身柄を検察に送らなければなりません。これを検察官送致(=送検)と言います。被疑者の身柄を受けた検察は24時間以内に取調べの後、1)起訴するか、2)裁判所に勾留請求するか、3)釈放するか、を決めなくてはなりません。また、検察が逮捕した場合は、これらを48時間以内に行わなくてはなりません。


 つまり、ある人が警察に逮捕された場合、72時間以内にある程度 " その後の流れ " が決まります。籠池夫妻の場合、逮捕したのは大阪地検特捜部ですから、逮捕後48時間以内に、起訴か、勾留請求か、釈放かが決まるワケです。そして、籠池夫妻は勾留請求となったのでした。検察は、勾留期間中にさらに被疑者を取り調べることになりますが、勾留期間は10日間ですが、裁判所の許可があれば、さらに10日間延長できます。(やむを得ない場合のみ、さらに5日間勾留延長可能です ⇒ 刑事訴訟法第208条の2)


 去る7月31日に逮捕された籠池夫妻は8月21日に詐欺罪で起訴されました。勾留21日間ですから通常通りと言えます。ここまでを起訴の前の勾留ですから一般に " 起訴前勾留 " と言います。その後は " 起訴後勾留 " となりますが、起訴後勾留は、1)重大犯罪の場合や常習犯の場合、2)被告人が証拠隠滅を図ると疑うに足る理由がある場合、3)被告人の氏名 or 住所が不明のときを除き、原則として1ヶ月間で、更新も1度に限られます。


 こう考えると、籠池夫妻が証拠隠滅を図るとは考えられませんし、氏名や住所も明らかですし、関係者に危害を加える恐れもないでしょうから、" 保釈 " が認められるべきと考えます。ところが、大阪地検は8月21日に籠池夫妻を塚本幼稚園への補助金詐取容疑で再逮捕しています。従って、この時点から起訴前勾留+起訴後勾留として11月11日まで勾留し続けるハラなのでしょう。


 7月31日の逮捕は森友学園が運営する開成幼稚園に交付された補助金詐取容疑、8月21日の逮捕は同じく森友学園が運営する塚本幼稚園に交付された補助金詐取容疑というワケです。どちらも経営母体は森友学園ですし、被疑者は籠池夫妻ですし、被害者も大阪府ですから、本来であれば、2つの容疑で一緒に逮捕すべきだったと考えられます。籠池佳茂氏の投稿もこうした大阪地検の対応への憤りから来るものと思います。


 こうした事実を見れば、籠池夫妻への不当とも考えられる勾留の背後には、野党が要求していた臨時国会から逃げるためであり、さらにいきなりの衆議院解散&総選挙への影響封じと、安倍晋三総理が森友学園事件の追及をかわすための姑息な手口 or 大阪地検による安倍政権への忖度などという言葉が現実味を持ってきます。まさに、現在進行形の " 権力犯罪 " ではないでしょうか。こうしたやり口は、今後、政権批判勢力にも向けられることになるでしょう。(2017/11/06 記述)
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