5月の晴れた日
さりげない出逢いを求め、風薫る緑の季節を彷徨い歩いて、辿り着いた一軒の店…
「おむらはうす」
京都にしかないオムライス専門店
初めて入る店だから、オーソドックスな『チキンオムライス』を頼んで食べていたら…
隣席に女性1人が、座って来た
目と目が合って、挨拶も無く彼女が…
『瑠璃光院に行くには、どう行けばよいのですか?』
雑踏の中で、僕の脳波に語りかける様な鮮明な言葉を響かせた…。
『僕と、御一緒しませんか?』
すぐさま、店を出たのが、45分前…。
叡電「出町柳駅」から、時間を越えて走って来た様なレトロな列車に乗り、カーブを曲がれば、京都市内の空気から、静寂な空気に切り替わる
「八瀬比叡山口駅」へ辿り着いたのが、35分前…。
そして、川のせせらぎを彼女の髪に纏わり付かせながら…
木々の隙間を歩いて、瑠璃光院に辿り着いたのが、25分前…。
中に入ると…「息をのむ美しさ」と言う言葉を初めて理解した。
青紅葉を机に映した、静かな自然の鼓動と、僕の鼓動が、シンクロして行くのを感じる。
それから彼女と寄り添い、瑠璃光院の長い回廊を転がされて迷い込んだ、お抹茶コーナーに入ったのが、15分前…。
新緑に陽射しが遮られ、淡い光から、雅のシャワーの様に照らされた2人が、誰も居ない部屋でダンスをしたのが
5分前…。
そして、現実へと続く階段を下りて、
瑠璃光院の門の、前で…彼女を抱きしめた…
それがちょうど…
それがちょうど…
…今…。
彼女を抱きしめた、背中の指が…
ユ…ビ…が…。
毛に…絡んだ
エッ( ̄O ̄;
うわ
(○_○)
猿
なんじゃコリャー
僕は、猿を抱きしめていた
そう言えば…
瑠璃光院さんに行く道中に、
『サルに注意』と注意書きがあったなぁ
僕は、猿の妖術に、かかっていたんだろうか
真相は、「出町ふたば」さんの、豆餅の様に、くるまれて分からない…(笑)
いやぁ~
出町柳駅に行ったから、買いに行った、豆餅は、いつ食べても美味しい~(^^)d
お断り
ジュリーの、背中まで45分を題材にした、この物語は、瑠璃光院さんに行った事、以外は全てフィクションです(^-^)/