久しぶりに読んだ花村萬月さん。
大変なことになっていました。
今回読んだのはこちら。
聞きなれない言葉です。
作者が若いころ働いていた西陣の染物屋で使っていた漂白剤の名でした。
そして、大変なこととは重病を患っていたのです。
具体的には血液の癌と呼ばれるもので、骨髄移植も受けていました。
その病が発覚する過程と、その後の経過を作家らしくというか、花村さんらしく綿密に描いていったのでした。
よって、どちらかというと、小説というよりはドキュメンタリー作品です。
花村さんといえば、若いころよりやりたい放題。
まさに、病も避けて通るそんな生き方でした。
彼自身も、自分が病気になるなどと考えたことさえないと豪語していました。
私も、彼のどの作品を読んでも、死を恐れぬその自信に圧倒されたものでした。
そんな花村さんでも老いはやってきます。
そして身体は変調をきたし死を迎える。
でも、彼はそんじょそこらの作家とは違います。
悲しいかな根っからの物書きなのです。
死ぬために生きる、そしてそれを記録する。
そんな形を選択したのでした。
多分は彼の二人の娘さんの存在がそうさせたのだと思います。
かわいい娘さんは父に生きてほしいと心から願うのでした。
あの花村萬月さんも人の子だったのです。
それにしても、物書きとはすごいものです。
改めて強く感じさせられました。
『死ぬ時は手遅れでありたい』
これは、彼がかつて理想とした死に方だったと思います。
今は血液を入れ替えても生きようとする…
これも作家花村萬月の生き方、死に方なんだと思いました。
ビー君は先週から車検でお泊り中です。
ワイパーはOKだったのですが、FブレーキのOH後、
ブレーキのエアがどうしても抜けないらしいのです
こればかりはプロにお任せするしかありません。