今回読んだのはこちらです。
 

 

白石一文さん。

 

「我が産声を聞きに」

 

コロナ禍真っ最中の昨年に出ていたようです。

好きな作家さんなんですが、この本は全く知りませんでした。

 

どちらかというと頻繁に出される方ではありません。

 

 

白石さんは、以前何かの雑誌で読んだのですが、

一つの作品完成まで時間がかかるのだそうです。

 

確かに長編が多いですし、

凝ったストーリー性の作品が多いです。

 

何度もページを戻って確認しないと先へ進めないようなチュー

 

 

今回はというと…

 

そんなことは全くなく、

実にシンプルで読みやすかったウインク

 

一晩で最後まで読んでしまいました。

 

白石さんの本では珍しい(笑)

 

 

では、あまり面白くなかったか?

 

そんなことはありませんでした。

白石さんらしさは十分感じられました。

 

 

ただ、最後の場面は…

 

どこからか猫が庭先にやってくるのです。

主人公が以前飼っていた猫を彷彿とさせるのが。

 

ちょっとありきたりというか、

安易なラストシーンのような気がしました。

 

ストーリー自体も展開があって面白いのですが、

その面白さだけで終わっているような感じです。

 

例えるなら東野圭吾さん、

そう彼の作品のストーリー展開に似ています。

 

だから、面白いのですウインク

ストーリー的には。

 

特に主人公の夫の突然の行動、

そして隠された過去には東野さん顔負けです(笑)

 

人は何年たっても、

過去から逃れることはできないのでしょうかショボーン

 

忘れていても、

何かの拍子に思いだしてしまう。

 

そして、一度切れた糸は二度とは戻らない。

それまでため込んでいたものが多ければ多いほど。

 

ストーリー的には重いものを含んでいた割に、

作品的にはあまり暗くはなっていません。

 

今までの白石さんの作品と比べ、

そこが不思議でなりませんでした。

 

 

ひょっとしたら、コロナ禍という世相を意識した?

作家さんも皆手探り状態なのかも知れません。

 

やはり、東日本大震災の時、

作家さん達がなかなか新作を発表出来ませんでした。

 

その取扱いに苦慮していたと推測しました。

 

それと似たようなことが起きてるのかもです。

この作品の中にも随所にコロナの話題が出てきました。

 

主人公自身も持病があって、

感染にはかなり気をつけている設定でした。

 

 

でも、やはり自分は白石さん好きだな~

改めてそう感じさせられた一冊でしたウインクウインク