僕の大好きな藤田さんのシリーズ。
いつの間にか新刊が出ていました~
うっかりしてました。
そして、今回の作品ですが、今までの中でベストです。

良かった~
探偵竹花、若い彼女とも上手くいってて、ますます絶好調です。

まず、このタイトルがいいですよね~
あまりにベタ過ぎます!!(笑)

そして、このタイトルですが、アズナヴールの曲ですよね。


何となく、思い出して、聴いてみたら……

こんなにいい曲だった?

シャンソンて、こんなに良かった?

僕も、大人になったということですね(笑)
ジャズの4ビートも刻めるようになったし。
思わず、聴き入ってしまいました。


ところで、この『来ぬ』は、何て読みますか?

1  こぬ

2  きぬ

3  くぬ


正解は……


2番です


ではなく、1番です。

『ぬ』に青春という名詞が続いています。
ということは、この『ぬ』は、連体形です。
そして、連体形の『ぬ』は打ち消しの意味になりますので、打ち消しに接続する動詞は、未然形。
つまり、『来』の未然形は、『こ』となります。

簡単に言えば、『二度と帰っては来ない青春』

カッコつけて言えば、

『青春は二度と戻らない』

こんなとこでしょうか。


面倒くさい奴だなあ~と、お思いでしょうが、以前仙台の予備校で、古典を教えてました~

今は、大手に吸収されてありません。
僕のせいではないと思いますが…

お許し下さい(笑)


そして、この作品ですが、やはり探偵竹花は魅力的な男ですね。

前回紹介した坂崎さんにも通ずるところがあって、実に飄々としています。

単純に、年令だけの話ではありませんよ。

だって、年取っても、偉そうに、他人に威張り散らす奴はいますから。

政治家に多いですよね。そんなタイプ。

権力を、自分の人間力だと勘違いしている方が。

この中で、最も印象的な言葉は、

『今の若い人は天気予報を見て、雨が降ってないのに傘を持って行く。雨なんて降るか降らないか、わかりゃしない。降ったら降ったでそん時だよ……』

カッコいいです!

そう、僕も最近その傾向があるのですが、ネットですぐ調べる。
天気予報だけじゃなく、電車の乗り継ぎとかもね。

出来れば、失敗したくない。

でも、すぐに来なくたって、待てばいいだけだし、間違えたっていいじゃない!?
乗り直せば。


人生も同じようなものでしょう?

天気予報だって、はずれることがあるのだから、人生、予期せぬことが起こります。


とにかく、この作品は、お勧めです。