5/6(月・振)温故知新 お久し振りの京都の旅 3日目~その5~【完】 | ちいたろうのお出かけ日記

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 終演後、何度かお会いしている、私と同じ(?)クッキーハウスファンの女性とともに、片づけをしているツネおにいさんにあいさつをしてから駅まで一緒に向かいます。阪急で帰るという彼女はバスで阪急の駅へ、私は京阪で京都市内に戻ります。
 枚方市駅で次の快速急行を待てばよかったのでしょうが、ホームに電車がいると乗らなければ損をしたような気になってしまうのが貧乏性の私。16:07発の準急で樟葉駅まで行き、そこで快速急行に乗り換えます。


「七条の次は、祇園四条に停まります」
とアナウンスが流れた時、思わず、
「イオン市場ってなんだ?!」
と思ってしまった程度の耳なので、今日の演奏会についての感想は確かではないかもしれません。けれど、十分満足できたことは間違いありません。
 16:41、イオン市場ならぬ祇園四条に到着。予約している新幹線の時刻までまだ時間があるので、昨日行きそびれた京極スタンドさんに向かいます。


 店内を覗いてみると、今日も多くのお客さんで賑わっていましたが、大きなテーブルを囲む席に空席があるようです。
「入れますか?」
と声をかけて、座らせていただきます。
 まずは大生。大生がある時点で、いい店だと直感的に判断してしまうのが酒飲みの悪い癖。つまみは、竹の子わかめ煮を注文し、しばし待つことにします。


 最近は「昭和歌謡」なんていう言葉を時々耳にするのですが、この言葉でいう昭和とは、私が想像する昭和よりももっと最近のことのようです。昭和という時代は60年以上あるので、同じ昭和でも初めの頃と終わりの頃ではずいぶん違います。


 この京極スタンドさんの昭和の雰囲気は、昭和の初め頃を感じさせる雰囲気です。それもそのはず。創業は昭和2年(1927年)というから、筋金入りと言ってよいでしょう。
「あ。ここ、神谷バーに似ているんだ」
浅草にある現在の神谷バーの建物ができたのが1921年(大正10年)。年代としては、それほど大きな違いはありません。さらに、京極スタンドのサイトを読んでみると、初代は浅草から来たと書かれていたので、もしかすると浅草の文化も影響しているのかもしれません。


 しっかりと、それでいながら薄味の竹の子わかめ煮は京都らしい味かなとふと思います。子どもの頃、最初に京都でごはんを食べたとき、だしが効いていることにとても驚きました。それは、知らない味に出会うといった体験です。
「世の中にはまだまだ美味しいものがたくさんある」
無意識にそんなことを感じたのかもしれません。
 蒸し暑さも手伝って、ぐびぐびとビールが進みます。瓶ビールを追加して、つまみにはピリ辛ウインナ。しかし、微妙につまみが足りません。


 店内に貼られたメニューを見て、お店の人に聞いてみます。
「串フライって何が来るんです?」
「豚と青とうがらし、あと玉ねぎですね」
それならばと、串フライを注文。これも大当たり。昨日も行った大衆酒場とはまた別の楽しみがここにはあるのです。


 会計は、この店オリジナルと思われる会計票で行われます。飲食した分の代金をチェックするのですが、まるでゲームのようです。


 年季の入ったレジスターも五つ玉のそろばんも懐かしく、それが現役で使われていることがまた嬉しい。店員さんとあいさつをしながら、気がつくとつい、
「また夏に来ます」
と言っていたのでした。


 錦市場を通り抜け、地下鉄の四条駅を目指します。何軒かの店先では、手軽に食べられるよう串に刺した天ぷらや肉や魚を焼いたものが売られているのが目に入りました。
「どれどれ」
 すると、座って食べるお店よりも高い価格設定に思わずビックリ。外国人向けなのでしょうか。錦市場も、昔とは変わってしまったのかもしれません。


 四条駅18:21発の地下鉄に乗って、5分ほどで京都駅に到着。40分もあれば、お土産を買っても余裕で間に合いそうです。
 しかし、コンコースへ上がってみてびっくり。あたりは人でごった返し、店のレジには長い列。一瞬、「間に合うのだろうか」と不安になります。
「こんなにすごいのか、大型連休」
お土産と大好物の柿の葉寿司をどうにか購入して、ホームへ上がりました。


 東京へも経費節減のため、ひかり号を選択。京都駅19:08発のひかり520号は快調に走っていましたが、名鉄栄生駅付近でいったん止まりました。アナウンスでは、「名古屋駅満線状態のため」と説明されます。どうやら、ダイヤが乱れているようです。
 名古屋駅ホームのきしめんやさんを見た覚えはあるので、ここまでは起きていたはずです。けれども、名古屋駅を発車したのを覚えていません。気がつくと、新横浜の手前を走っていました。
 車掌がアナウンスで、3分の遅延を詫びています。さすが新幹線。定刻通りに走るのが当たり前というのは、日本ならではの乗り物と言えるでしょう。


 定刻21:36着の東京駅には、少々遅れての到着。けれども、新幹線でなければ、その程度は遅れとは言えない程度のものでしょう。
「大型連休でこれだけの人出があってもちゃんと交通機関が動いているのはすごいなあ」
そんなことを考えながら家路についたのでした。