5/6(月・振)温故知新 お久し振りの京都の旅 3日目~その3~ | ちいたろうのお出かけ日記

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 音楽サークルぷれすと(https://presto-mamabrass.jimdofree.com/)さんの第14回 初夏のコンサートにやってきました。

 ホールの中では、真っ赤なエプロンを身につけた女性が案内しています。彼女たちがきっと、ぷれすとのメンバーなのでしょう。会場のあちこちにも、この赤いエプロンをしたブタのキャラクターがあしらわれています。

 会場前には、入場待ちの列がだいぶ長くなっていました。ママさんブラスということなので、家族や関係者が来場するのは予想できますが、それにしても結構な数のお客さんです。

 中に入ってみると、枚方市総合文化芸術センター 関西医大 大ホールはかなり大きなホールです。それでいて、客席の勾配は緩やかでゆとりを感じます。このサイズのホールで3階席まで合わせて1,468席というのは、余裕のある作りではないでしょうか。それを、今日のようなイベントでは1階席のみの開放で利用することができるようで、なんとも市民に寄り添った施設であると感じます。


 ステージ上では、今回の演奏会の指揮者でありこの楽団の指導者でもあるツネおにいさんが、何やら機械の調整をしていました。指揮者、指導者、そしてクッキーハウス主宰であり、かつセッティングも担当と、今日も幅広く活躍しているツネおにいさん。いつもなら、「こんにちは」と声をかけるところですが、今日はお仕事中のようなので、ホールの片隅に座って開演を待ちます(いや、いつもたいていお仕事中です)。
 やがて開演時刻が近づくと、注意事項についての説明が始まります。ステージ上には、キャラクターのブタの着ぐるみを先頭に、子どもたちが何人かプラカードを持って出てきました。


「これが関西クオリティなのか?!」
今まで行った吹奏楽の演奏会で、こんなのを見たことがありません。関西ではこれが普通なのでしょうか。それとも、この楽団が特別なのでしょうか。とにもかくにも、ベルが鳴って第1部開演です。メンバーがそれぞれの席に着き、指揮者のツネおにいさんは、まっ赤なベストに黄色いネクタイ姿で登場しました。


 いよいよ演奏開始。最初の曲「ジェネシス」は、2022年の全日本吹奏楽コンクール課題曲とのこと。華やかな金管楽器のファンファーレが鳴り響き、それを木管楽器が柔らかく追いかけていく。なんとも「吹奏楽らしいな」と思う一曲です。
 続いての組曲「もうひとつの京都」は初めて聴く曲。作曲は、ヴァイオリン奏者の葉加瀬太郎氏とのことで、本来は京都の美しい風景を思い浮かべながら聴くべきところなのでしょうが、私の頭の中には、あのモジャ毛のヴァイオリニストしか浮かびません。
 最後の「ディズニー・メドレーⅡ」は、私も中学生の時に演奏した曲。懐かしくなって、つい指が動いてしまいます。トランペットのソリストが立ち上がったとき、ふと、自分が中学生のときの先輩を思い出しました。小学校の時からトランペットを吹いていた先輩がかっこよかったなぁと。中学生の先輩・後輩なんて、たかだか1~2年の違いでしかありません。その1~2年の違いが、ずいぶん大人に見えたものです。


 ザ・吹奏楽といった雰囲気の第1部が終わり、一旦休憩。第2部の準備に入ります。当然、指揮者や楽団のメンバーも休憩時間のはずなのですが、第2部はクッキーハウス オン・ステージ。ツネおにいさんはフル出演です。休憩時間にもセッティングに余念がありません。やがて休憩時間が終わりに近づくと、楽団のメンバーもホールの客席に座りました。


 第2部は「クッキーがはじまるよ」から始まり、先ほどまではタクトを振っていたツネおにいさんがクッキーハウスの紹介をします。小学校などでも演奏していることから、
「今日は芸術鑑賞会に来たつもりで楽しんでください」
とアナウンス。
「『芸術鑑賞会』っていう単語は、学校関係者や小学生がいる保護者以外に通じるかなぁ」
ふと、そんな心配をしてしまいます。


 「ルパン3世のテーマ」ではトオルおにいさん、「カルメン前奏曲」ではミワコおねえさんのそれぞれの見せ場があり、MCでそれについての解説をします。


「そういや、MCの内容まで、だいたい知っているよなぁ」
いざとなったら、代わりにMCができるんじゃないかと思うほどです。
 ステージ上では電子ピアノの前にトオルおにいさんが座り、次は嵐の「ふるさと」。その後のMCでは、いつものクッキーハウスのメッセージが伝えられました。
「クッキーハウスが使っているのは、小学校でやる楽器と同じ。特別な楽器ではありません」
つまり、クッキーハウスの演奏を聴いた子どもたちは、やろうと思えば、クッキーハウスと同じことができるのです。

 先日、NHKの番組「沼にハマってきいてみた」で鍵盤ハーモニカについてやっていました。そこでは、鍵盤ハーモニカ奏者の一人であるミッチュリー氏に影響を受けた中学生が紹介されていましたが、何かを始めるきっかけというのは、そんな体験がほとんどでしょう。
「自分もやりたい」
そう思ったところがスタートなのです。
 クッキーハウスと出会って音楽に興味をもった子は必ずいるはず。彼らが奏者にならなくても、クッキーハウス以外の音楽に出会ったり、誰かと何かを一緒にやる楽しさを見つけたりする。芸術鑑賞会とは、そういったきっかけになるべきものだと思います。
 会場が温まってきたところで、「クラップ アンド レスト」でお客さんを参加させてから、「となりのトトロメドレー」で第2部は終了。クッキーハウスの3人は手を振りながら、舞台下手へと下がっていったのでした。