5/4(土・祝)温故知新 お久し振りの京都の旅 1日目~その4~ | ちいたろうのお出かけ日記

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 動物園に再入園。まだ見ていないエリアをチラリと見てから、入り口に戻ることにします。
 京都市動物園は、1903年(明治36年)に開園した日本で2番目に古い動物園です。しかし、その歴史ある動物園は新しい時代の展示を目指しています。施設のリニューアルが終わり、グランドオープンしたのは2015年秋のこと。ある意味では、日本で最新の動物園だとも言えるでしょう。
 動物園の一角に、萬霊塔という飼育動物の慰霊碑がありました。慰霊碑はどこの動物園にもありますが、ここに掲げられていた一文に、京都市動物園の姿勢を見たような気がします。


「いのちのたいせつさを おしえてくれてありがとう」
 動物の生態や地球環境など、動物園が伝えたいことはたくさんあります。しかし、一番大切なのは、何よりもその動物の命です。ここは、動物たちが生きる場所。そして、私たちが動物たちの命に触れることができる場所なのです。
 15:40、動物園を出ると、最寄りのバス停にはたくさんの人が並んでいました。あの人数ではとうてい座れそうにありません。
「近くの駅まで歩くか」
地下鉄の東山駅まで徒歩10分と書かれていたので、そちらに向かいます。どうせ街の中も渋滞しているはずなので、地下鉄の方が移動も確実です。


 しかし、意外なほど早く東山駅に着いてしまいました。それに、空はまだだいぶ明るく、このまま地下鉄に乗って宿舎に戻るのは惜しい気がします。
 ちょうどここから先は、祇園と呼ばれるあたりです。散歩をするにはちょうどいい。このまま四条河原町まで歩いて、インターネットで見つけていた大衆酒場を目指すことにします。歩くのは、決して嫌いではないのです。
 三条通が白川を渡るところから、川沿いを歩きます観光客だけでなく、川に入って遊んでいる子どもがいるなど、なんとものどかな雰囲気です。


 さらに行くと、祇園白川。ガイドブックにも載っている観光名所です。


 そういえば、京都の見どころを歩いて回るということを考えていなかったことに気づきました。昔は当然、電車もバスもありません。京都は歩く街であったはずなのです。歩かずして京都の何がわかるでしょう。目ぼしいところだけを巡るのであれば、観光バスにでも乗ればよいのです。でも、それでは京都の街を楽しんだことにはなりません。やはり、街は歩いてナンボだと思うのです。


 四条大橋で鴨川を渡ると、いよいよ四条河原町。目指す大衆酒場、居酒屋たつみさんは、一見、入りにくそうな入り口ではありますが、何事も経験です。


「一人なんですが、入れますか?」
 すると、「カウンターなら」と言われて案内してもらえました。
 暑い中を歩いてきたので、まずはビール。瓶ビールを頼むと、「アサヒ、サッポロ、キリン、サントリー、どれにします?」と聞かれます。大手4社が全て揃っているとは、それだけで店のレベルの高さを感じます。
 今日の京都は、30℃もあったそうです。ビールがいつにも増して、美味しく感じられます。


 黄色い舌代に書かれたメニューも盛りだくさん。1枚ずつ読んでいきながら、どれにしようかと迷うのもまた、楽しい時間です。
 注文したのは、いわしの天ぷらと、へしこチーズ。へしこの強い塩味とチーズとの相性がピッタリです。そこへビールが加わればもう、いくらでも飲めてしまうのではないかと思うほど。あっという間になくなってしまいます。


 外の看板には「黄桜」とありました。いろいろ高い日本酒もあるようですが、こういった店で、普段飲むような酒をいただくのもまた、楽しみの一つ。日本酒に切り替えて、京野菜のおひたしもいただきながら立ち飲みの酒場の風情を味わいます。


 お会計をしてみてびっくり。なんと3,000円でお釣りが来たではありませんか。
「え? そんな値段でいいの?」


 京都で一杯やる。それだけで、それなりの値段は覚悟していましたが、いつも行く大衆酒場とそう変わらない値段です。
「明日もまた来ようかな」
 そんな風に思える店に出会えるのは、なんとも幸せなことだと思うのでした。
 四条河原町のバス停で、207番の市バスを待ちます。バス停には整理員のおっちゃんが2人出ていて、乗客をさばいていました。
 確かに、だいぶ前に来たときよりも人が増えていることは感じます。観光客が増えることでプラスの効果ももちろんあるのでしょうが、トラブルもきっと増えているはずです。京都という街を守りつつ、他所から来た観光客をどう受け入れていくか。きっとそれは、観光地共通の課題でしょう。プラスの面を生かしつつ、マイナス要素は人の温かさで解決できることを願うばかりです。
 東寺東門前で降りて、住宅街の中にある銭湯を目指します。Google Mapsを頼りに行くと、日の出湯さんという、なんともレトロ感あふれる銭湯に出会うことができました。入ってすぐ番台がある作りも、籠ごと入れられる大きな木製のロッカーも雰囲気満点。さらには湯加減もちょうどよく、あまりに気に入ってしまい、帰りがけに、
「明日もやってますか?」
と番台のおばちゃんに聞いてしまったほどです。


 大宮通に出ると、東寺がライトアップしているのが見えました。夕暮れの淡い藍色の空に、五重塔が輝いています。


 門のところまで行ってみると、入るのには1,000円かかるようです。
「それならいいや」
 塀の外から眺めるマジックアワーの五重塔でも十分きれいだと思うのでした。


 荷物を置いていたHOSTEL THE NEXT DOORへ行ってチェックイン。とくに問題はなく、スムーズに宿泊の手続きは終了。酒も風呂もすでに終えているので、すぐに寝てしまったのでした。