2/24(土)キタキタ秋田になんで来た?! 2日目〜その5~ | ちいたろうのお出かけ日記

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 さぁ、市内へと戻りましょう。
 神社の前からバスが出ているのはわかっているのですが、今から最寄りの駅に向かえば、ちょうど電車に乗れそうです。秋田駅まで電車に乗れば、それが旅のアクセントにもなるでしょう。神社から駅までは、歩いて10分もかからないはずです。
 国道から分かれてまっすぐ歩いていくと、向こうに跨線橋が見えました。JR羽越本線の新屋駅は、いかにもローカル線の駅といった佇まいですが、10人ほどが座っている待合室のストーブにはちゃんと火が入っています。誰かが管理している証拠です。


 発車時刻が近づくと、駅の窓口も開きました。人の温もりを感じられる駅というのは、やはりよいものです。
 地方の駅では、無人駅が多くなりました。自動車で動くことが当たり前になった今日、鉄道が廃れていくというのは仕方のないことなのかもしれません。しかし、鉄道か車かということに関わらず、旅先で出会う人がいる風景というのは、どこかホッとさせてくれます。誰かがいて、旅を支えてくれる。それが、温かさとなって感じられるのです。さらに、人がいる駅というのは、無人駅では到底味わうことのできない旅情を感じます。昔はそれが当たり前だったのに、今ではそれがどんどん減っているのは寂しいかぎりです。


 発車時刻が近づき、狭い跨線橋を渡ってホームで待っていると、13:20発の2両編成の列車がやってきました。ボタンを押してドアを開け、電車に乗り込みます。アナウンスによると、特急との交換の後に発車するそうです。地方では当たり前のことなのですが、私が鉄道の旅を最近あまりしていなかったせいか、とても新鮮な気持ちです。
 若い頃は、青春18きっぷもよく利用しました。しかし、最近はめっきりご無沙汰です。以前は周遊券やフリーきっぷなんかを活用して、鉄道であちこち回るのが楽しみでしたが、最近はそれも難しくなりました。今では鉄道を利用したとしても、新幹線で移動するなど、目的地に行くためだけに乗る程度でしかありません。
「たまには、鉄道で旅に出てみるのもいいかもなぁ」
 そんなことを考えながら、電車が動くのを待ちます。


 今回の旅で羽越本線の列車に乗るなんて、思ってもみませんでした。当初は、大森山動物園へはバスで往復することしか考えていなかったのです。それが、Googleマップを調べたときに、日吉神社前から動物園まで歩くルートを提示されました。
「そんなルートもあるのか」
と思っていると、時間はかかるものの、この新屋駅から歩くルートも提案されたのです。
 旅はよくも悪くも、いろいろなことが起こります。その場の状況判断でどんどん中身が変わっていく。それこそが、旅の醍醐味だと思うのです。
 午後の各駅停車はなんとものんびりしています。「まだこのまま乗っていたいなぁ」と思っているうちに、13:32、秋田駅に到着。わずか十数分の汽車旅でしたが、列車に揺られるというのはなんとも心地がよいものです。
 とりあえずスターバックスに行って、ワンモアコーヒーのサービスをいただきながら、これからの作戦を立てることにします。


 朝に行った店とは別の店に向かいます。ドリップコーヒーを注文すると、コーヒーを提供するときに、
「アルス店ではハウスブレンドをご用意しています」
と言われました。朝に行った店とは違うことに、レシートを見た店員さんが気づいたのでしょう。
細かいところまで、さすがです。
 コーヒーの味の違いは確かに感じるのですが、どれがいいとか悪いとかは思いません。気に入るか、それとも気に入らないかのどちらかしかないのです。もちろん、ハウスブレンドというコーヒーも十分に美味しいと思うのでした。
 しかし、一つ困った問題がありました。それは、まったくお腹が空かないことです。どう考えても、昼に食べたあの2合めしのせいに違いありません。
「これでは夜のお酒が美味しく飲めないではないか。こうなったら、強制的にも歩くしかない」
 そこで、久保田城址の千秋公園を歩いてみることに決めました。
 店を出てしばらく歩くと、雪が強くなってきました。公園横の坂道を上る時には、雪に向かって歩くといった風情です。大きな犬を連れた人が私の前を歩き、コートのフードを頭にかぶります。やはり、こちらでも雪の日には傘を差さないようです。


 黒門跡から公園に入り、まずは彌高神社を目指します。雪はさらに強くなってきました。
「これは、ホテルに戻った方がいいか?」
 でも、せっかくここまで来たのですから、ひと通り楽しみたいものです。それに、明日ここに来るかどうかはわかりません。


 彌高神社を参拝して御朱印を待っている間に、雪は少し弱くなってきました。これはラッキー。どうにか千秋公園を歩くことができそうです。神社を出て、ぐるりと城の裏手へまわります。


 御隅櫓という建物のところに、裏側から上がってみました。いかにもお城といった風情の建物に、気分も盛り上がります。


「入ってみようかな?」
とも思ったのですが、残念ながら冬季閉鎖中。そういえば、先ほど通った公園のトイレも冬季閉鎖中で、入り口には板が張りつけてありました。観光するには完全にオフシーズンだったようです。


 本丸跡に出て、秋田藩12代藩主 佐竹 義堯の銅像を見るのですが、不勉強な私はこの佐竹 義堯がどんな方なのかはまったくわかりません。久保田藩最後の藩主だということはわかったのですが、まずもって秋田の歴史というものをちゃんと把握せずに来てしまっていることを反省するのでした。