4/30(土)制限なしの大型連休広島への旅 2日目~その4~ | ちいたろうのお出かけ日記

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 ライブが始まると、森光ファミリーのお父さんである明氏のトークが炸裂します。出演者の紹介から、喋りまくります。
 七彩さんは、椅子に座っての登場。明氏が、
「妊婦です!」
と紹介すると、会場からは、
「おめでとう!」
の声が上がります。そりゃあ、みんな身内みたいなもの。ということは、みんなおばあちゃんたちみたいなものということになるのでしょうか。


 プログラムは、「にじのむこうに」「あしたははれる」と、七彩さんが大好きだという曲が続きます。その伸びやかな歌声は、まるでおかあさんといっしょの歌のおねえさんです。そして大人の声になっても、あの「アオギリのうた」のまっすぐな歌声はそのままでした。
 子どももたくさん来ているライブだからでしょうか。プログラムの途中には「曲当てクイズ」なんていうのがあり、明氏がイントロを弾いて、会場のお客さんが何の曲かを当てるというものです。最初の問題を、何と赤とんぼの孫娘が当てて、七彩さんの妹さんである楓さんから記念のCDをもらっていました。この時の曲が、明氏がアレンジした「こいのぼり」だったのですが、コードのつけ方というか、ベースラインの取り方が「アオギリのうた」に通じるものを感じます。
 そんなことを思っていると、このコーナーの最後の曲となりました。
「この曲は、広島の子なら知っとってほしいなあ……」
と言ってエレキピアノの音で前奏を弾き始めると、会場のみんなが手を挙げました。そう、お嬢さんの七彩さんが小学生の時に作った、「アオギリのうた」です。プログラムには載せず、こんなところに入れてくるあたり、手が込んでいると思わずにはいられません。
 しかし、ドラムの方がうますぎます。
「こんなにハッキリと、気持ちよくビートを刻めるなんて。ただの人ではないはず……」
 スペシャルゲストだというから、実は有名な方なのかもしれません。そう思って聴いていたのですが、それもそのはず。後々、明氏のトークで、ドラムの則武 裕之氏は元T-SQUAREのドラム担当だった方だと明かされたのです。そりゃあ、すごいはずです。
 休憩を挟んで、後半は大人向けのプログラム。息子さんの奏太さんがベースの弾き語りをしたり、ドラムの則武氏がかつて所属していたT-SQUAREのTRUTHや宝島をこのバンドで演奏したりと、子どもから大人まで楽しめるプログラムで大満足。アンコールでは、出演者もお客さんも全員参加で「WAになっておどろう」で大いに盛り上がり、大満足で終了したのでした。
 終演後、ロビーから出ようとすると、なぜか長蛇の列ができています。私もその列に入ってしまったのですが、出演者にあいさつをする人たちの列です。私は当然、顔見知りでも何でもないのですが、赤とんぼのみなさんはお知り合い。さながら、ピアノの発表会の後に先生にあいさつをしているような風景なのでした。


 お母さんの運転で、赤とんぼに戻ります。お店に戻ると、宅配の注文を焼くために早めに引き上げたお父さんが、たくさんのお好み焼きを焼いている真っ最中でした。
「あの後、すっごく良かったんよ」
と、いつものようにお母さんがお父さんを羨ましがらせます。これも、いつものお約束です。
 孫娘たちは、いつものお店に戻ってきて大興奮です。毎回、久しぶりに会うからか、この孫娘たちが私に慣れるまでは時間がかかります。しかし、慣れてしまったら最後、さんざんおもちゃにされること必至です。きっと、たまにお店にやってくるじいじのお友だちの一人だと認識されているに違いありません。
 孫娘の母親二人は、私が幼稚園に勤めていた頃を知っているので、
「もう。友だちじゃなくて先生なんじゃけぇ」
と呆れ顔で娘たちを諌めるのですが、娘たちはそんなことはお構いなし。そりゃあ、そうでしょう。私が幼稚園に勤めていたのなんて、ずいぶん昔の話なのですから。
 店の裏手に、さくらんぼの木があります。大人なら、頑張れば届きそうなところに赤い実がなっていました。すると、孫娘たちに抱っこをせがまれます。
「じいじがいいって言ったらね」
と言うものの、まあ、じいじ、つまりお店のお父さんならいいと言うに決まっているので、ちょっとだけ時間稼ぎをしてから、気合を入れます。何しろ、ここの孫娘は5人。一人はまだ、ベビーカーで寝ているので、4人を代わる代わる担ぎ上げなければならないのです。
 自分でもいださくらんぼを、孫娘たちが美味しそうに頬張ります。まだ青い部分が多い実も、「美味しい!」と言って嬉しそうです。
 そういえばその昔。私が勤めていたある幼稚園にさくらんぼの木がありました。園長先生に相談すると、
「生のものを子どもたちに食べさせるのは、ちょっと……」と渋ったものの、当時の副園長先生が、園長先生が普段いないのをいいことに、
「みんなで食べましょう」
と、一番美味しそうなときを狙って園児みんなにさくらんぼを取らせたのを思い出しました。それを後で知っても動じなかった園長先生もなかなかでしたけれど、お二人とも、子どもたちにとって何が大切かということを考えてくださる方だったに違いありません。子どもが幸せであるために何ができるかを考え、実践する保育者と出会えたことは、子どもにとって幸せであるばかりか、私にとっても大いに勉強になったのです。
 ここ、赤とんぼのお父さんとお母さんもそうです。子どもたちに向き合いながら、子どもたちと一緒に楽しんでいる姿が素敵だなといつも思います。
 懐かしい赤とんぼのお好み焼きを焼いてもらいます。私が鉄板の端のところで食べていると、店の奥のテーブルでは、この家の晩ごはんが始まりました。まるで居候のような扱いですが、当時から変わらないこの空気感が何とも嬉しいのです。


 孫娘ちゃんたちが眠たくなってきたところで、私も引き上げることにします。猿猴橋町のゲストハウスまでお母さんの運転で送っていただき、この日は早く休むことにしたのでした。