11/29(日) 初めてのモリオカ2日目~その5~ | ちいたろうのお出かけ日記

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 そろそろお昼どき。お腹も空いてきました。
 ほろ酔い気分で蔵を出て、バスセンターの方へ行けば何か美味しいものにありつけるんじゃないかと見当をつけて歩いてみます。有名なわんこそばやさんの前を通ると、こちらはどうやらわんこそばをやっているようです。でも、それを見ると、昨日の直利庵で中華そばを食べなかったことを思い出します。


 直利庵の中華そばが美味しいらしいことは、旅に出る前にいろいろ調べる中で気づいていました。原敬についていろいろ教えていただいた方からも、
「こちらは中華そばもうまいんですよ(笑)」
とSNSでメッセージをいただいています。聞けば、その方も2日連続で直利庵を訪れたとのこと。
「これは、リベンジするしかないか」
 きっとそういうお客さん、他にもいるんでしょう。二日連続で、お昼に直利庵に向かうことにしました。


 お店に着くと、今日は満席。しばらく待ってからテーブルに案内されました。すぐに中華そばを注文すると、出てきたのはシンプルな中華そば。しかし、スープは鰹の出汁が豊かに香ります。いわゆるラーメン屋さんのラーメンとは別の料理といってよいでしょう。


 スープも最後まで味わって、味は大満足。でも、量は少々物足りない。でも、これでよいのです。できればこの後、盛岡名物じゃじゃ麺も試してみたいと思っているので、お腹の具合としてはちょうどいい量かもしれません。
 じゃじゃ麺発祥の店という白龍へ行ってみると、店の前で3人の女性グループが1組待っていました。
「だったら、後でまた来よう」
 そう考えて、先に石割桜を見に行くことにします。


 盛岡地方裁判所前にある樹齢約360年といわれるエドヒガンザクラで、巨大な花崗岩の割れ目から木が生えているように見えます。
 ここは盛岡にある水曜どうでしょうの聖地の一つです。桜前線捕獲大作戦のDVDの特典映像には、若き日の大泉 洋がディレクターの無茶振りによって、モノマネをしながらこの石割桜の紹介をさせられる様子が納められています。この景色から、とっさにあれだけのことを喋れるのは、やはりすごい。頭の回転の速さでしょうか。それとも、相手に合わせることに長けているということでしょうか。それが、あの番組の面白さに他なりません。
 再び、白龍へ行ってみることにします。公会堂のところには、原敬の胸像がありました。


「ここにも原敬か……」
 広島にいると、広島カープ関連のものをたくさん見かけます。カープがすごいのか、広島の人々のカープ愛がすごいのかわからなるほどです。同じようにここ盛岡では、原敬がすごいのか、盛岡の人々の原敬愛がすごいのか。市民にとって誇れるものがあるということは、実に幸せなことかもしれません。
 白龍に戻ると、店の前には5~6人の客が並んでいました。しまった、さっきよりも増えています。仕方ない、おとなしく列に並んで待つことにしました。

 店の前の細い道を、県外ナンバーの車がやってきては、最徐行でお店をのぞき込んで、どこかへ走り去っていきます。きっとカーナビにお店の情報を入力して、やって来るのでしょう。ということは、地元の人だけでなく、私のようによそから来るお客さんも多いのでしょう。
 10分ほど待ったでしょうか。ようやく狭い店内に案内され、カウンターに座ることができました。じゃじゃ麺は小・中・大とあり、さきほど中華そばを食べた私は迷わず小を注文します。この選択は大正解だったようで、他の客を見ると、中でもけっこうなボリュームです。


 じゃじゃ麺の見た目は写真で知っていました。「うどんのような麺かな?」と思っていたのですが、実際に食べてみると、麺は見た目以上に柔らかく、モチモチとしています。テーブルの上の案内に、酢やラー油を足すとよいと書かれていたので試してみると、このラー油が結構辛くて、病みつきになりそうです。

 じゃじゃ麺といえば、ちーたんたん。しかし、その注文の仕方がよくわかりません。こういう時には、人に聞くのが一番。
「具も全部食べ切ってからですか?」
とお店のおばちゃんに尋ねると、具を皿の端に寄せて、空いたところに生卵を溶くように言われました。すると、
「あぁ、そうするのか」
と、周りの客が声を上げたのが聞こえました。なるほど、私の近くにいたお客さんは常連さんではなく、観光客ばかりだったようです。
 箸を添えてカウンターに置くと、お店の方が溶いた卵に湯を加えてくれます。すると、ほどよく卵が固まり、肉味噌も加えてもらえばちーたんたんの出来上がり。そのままでも美味しいのですが、塩やコショウなどを入れて自分で味つけを工夫できるところがまた、ジャンキーで素敵です。


 さあ、盛岡で行きたいところには行くことができました。まだ新幹線の時間まではだいぶあるのですが、朝から歩き遠しで、そろそろくたびれています。中心部へ向かって歩いていくと、ドトールコーヒーショップを見かけたので、ひと休みすることにしましょう。
 コーヒーを飲みながら、ガイドブックの地図を開いて、行ったところ、行っていないところをチェックします。まだまだ見ていないところは山ほどありますが、今からそれを巡る元気もありません。
「きっと、『またおいで』ということだろうなぁ」
と自分を納得させて、新幹線までの時間の過ごし方を考えるのでした。