ふと無性に食べたくなるのがお稲荷さん。

そのお稲荷さんも、よ~く観察して思いを巡らせると面白い文章になる。

 プラスチックの陽気に何の風情も無く並んで居る。

見映えを望むのも無理な話なのだが。

一緒に並んで居る太巻き、卵巻き、茶巾などの賑やかさに比べると

余りにも身なりが貧しい。

しわくちゃな連中が面白くも何ともないという表情で並んで居る。

それをつまらなそうな顔で食べる自分がいると思うと、いたたまれない。

 と言うのが「東海林さだお」。

 

 油揚げは熱湯でさっと煮ておく。その姿がこざっぱりとして

ひとっ風呂浴びたあとのしんなりした顔つきは、眺めているだけで

平穏な気持になる。酒肴としても絶品だ。

なんと言っても、焙ること。こんがりきつね色に焙ったお揚げを

サクッと切って、生姜醤油で頂くだけで立派な酒肴だ。

油揚げの適度なこく、風味、油っ気、ジワッと嚙むとジワッと押してくる

倍返しの喜びがある。と言うのが「平松洋子」。

 

 冷凍庫に欠かせない油揚げ。お値段もお手頃だし食材には

頼もしい助っ人だ。