高校同窓生の告別式に参列してきた。

JR稲毛駅から式場は直ぐ分った、1分と言われているが

私の足では5分掛かった。

 社長業のかたわら各方面で活躍された故人は友人も多く、

前日のお別れの会には沢山の人が集まった、と喪主のご主人が話されていた。

そのせいか、この日の参列者は10名ばかり。

だから故人とはゆっくりとお別れが出来、綺麗に化粧された顔を

じっくりと観察出来た。皺はないし素敵な色の口紅が頭に焼付いた。

組まれた手は綺麗にマニキュアされて、ダンス衣装を着ていた。

 高齢の僧侶による読経は、鼻水ふきふき滑舌悪くそれらを気にしている内に

終わった。最期のお別れで、棺の中に御花を納めるけど人数が少ないので

何回も繰り返し溢れるほど。声を出して泣き崩れる人はいず、唯一娘さんが目頭を

押さえていた。棺の蓋を全員で手を添え閉じた。

男性数人で霊柩車に棺を移し、私達は合掌して見送った。

 式場を後にするが帰り道を間違え、あたふたする私達に雨はやけに冷たかった。

        南無大師遍照金剛