岸田さんもふくめ最近よく見聞きしますが、「技術革新やビジネスモデルの変化に対応するために、新しい知識やスキルを学ぶこと」、と定義されるみたいです。
しかし思うのです。新しい知識やスキルを学ぶ前に、基本的な知識が欠如している人が大多数ではないでしょうか。
新たなスキルは勿論必要です。定年後の私でさえ勉強を続けないと仕事になりません。しかし、基本的なスキルを身につけることはもっと重要です。
定年前の最後の仕事は、４年間にわたるM&A交渉でしたが、同業他社との双方の子会社の株式価値評価には、現場の業務知識のみならず、財務、税務、会計、法律、融資の実務やリースの知識まであることが前提でプロジェクトメンバーが招集され、丁々発止やりあいましたが、こちらはヘトヘト、あちらの中にはまだ２０代と思われる人材がいて、若いのにこんなに知識がある奴がいるのか驚いたものです。
３社の同様の設備が借入とリースでファイナンス方法が違う場合には、すべてリースに置き換える作業を行い、事業キャッシュフローの見方を公平にするといった作業を１時間程度でExcelのモデルにし、互いにチェックするということを何度も行ったものです。
最終的には、海外ファンドへの子会社株式売却となりましたが、先の交渉に比べれば、英語でやることを除ければ知識的には知れたものでした。もちろん、日米の弁護士が双方でサポートに回る前提です。
基本的なスキルが今後の会社員人生では重要です。上にあげたような知識を持っていれば、いろんな場面で駆使できることでしょう。