No Looking Back


「小田急ロマンスカー 3100形 幻の展望ビデオ」というビデオを以前買った。

これは1984年にロマンスカー第9さがみの最前列から、新宿→小田原間の沿線をビデオ撮影したもの。小田急沿線住民以外はまるで興味がなさそう なシロモノだけど、たまに酒を飲みながらぼーっと見てると、「新宿駅の南口再開発以前だから、すぐに電車が地上に出るな」とか「新百合ヶ丘のあたりとかず いぶん変わったなー」とか、かなり面白い。もう四半世紀も前なんだもんな。

おれは鉄道への興味はほとんど持っていないんだけど、鉄道マニアの人々は「過去の日常風景」をたくさんアーカイブしているので、いろいろな鉄道系画像掲示板をちょくちょくのぞいてる。ノスタルジー耽溺趣味を持つ身にとってはとてもありがたかったり。



難波功士「ヤンキー進化論 不良文化はなぜ強い」(光文社新書)読了。

やー面白かった。以下、難波によるヤンキーの定義。

・バッドテイストを指向(排他的な美学、ピュアなハートやファンシーを偏愛、シンプルでワンパターンな物語を好む、過剰であればあるほど偉い)
・階層的には下(と見なされがち)
・旧来型の男女性役割(男は女に対して性的であると同時に家庭的であることを求める。総じて早熟・早婚)
・自国、地元を愛する

なるほど納得。

難波は

「短絡だし、図式的に過ぎるかもしれないが、郊外の一戸建ての自室に引きこもり、ネット上で『DQN』バッシングに時間を費やすよりも、3Kとさ れる現場仕事で、額に汗し自力で稼ぐこと―その報酬がクルマの改造につぎ込まれようとも―の方が、はるかに敬意を払われるべき行いだと私は思う」

とヤンキーを擁護しているんだが、んー、ここはどうだかな。実像と合ってない気がするんだが…。

以前、精神科医の斎藤環が「この国は昔からなぜか反社会的な若者をかばい、ひきこもりのような非社会的な若者を糾弾する傾向がある。反社会的であることは犯罪だが、非社会的であることは違う」と言ってたことを思い出した。両者を対談させてみると面白い若者論になるかも。

さあて、次は中島誠之助「ニセモノ師たち」(講談社文庫)。