No Looking Back


「おまえの人生は、これからだぜ。記念に音楽を贈ってやるよ。
なにがいい?」
バーテンは、店の奥のジュークボックスに顎をしゃくった。

バーテンの顔をまっすぐ見たゴローは、声がふるえなければい
いがと思いながら、
「スローなブギにしてくれ」
と、ゆっくり言った。

「なにを言いやがる、それでセリフのつもりかよ」
そう言いはしながら、バーテンは首をふりつつ、ジュークボックス
に歩いて言った。

スローなブギが、鳴りはじめた。


高校のころ、ずいぶんはまった作家。今の人が読むとどうなんだろ?この文庫本の表紙もかなり好きだった。未だに好きだ。

原作とテイストは全然違うけれど、映画の方も面白かったよ。