「siaちゃん、どこ?」


まいにち目が覚めたとき
あなたを探してる






siaちゃんは
ほんとに良い子だった



悪阻もあまりひどくなくて
仕事も休んだりしなくて済んだ

おなかにいたときも
よく動き回ってて

妊婦検診も毎回
「げんきですね」
って言われて

出産は
さかごちゃんで
帝王切開になったけど、

先生は
「取り出すの大変だったよ〜」
って言ってたけど、

げんきいっぱいで
産まれてきてくれた


ミルクもよく飲んで
少し小さめで産まれてきたからだは
すくすく
ぷくぷく
大きくなって


1ヶ月検診も
「何も問題ないね」
「元気だね」
「良いペースで体重も増えてるね」
「おめめ大きくてかわいいね」
って言われてて


おなかすいたときと
オムツ替えて欲しいときしか
泣かなくて


やっと
「あーうー」って
おしゃべりできるようになって


いっぱいニコニコするようになって


きっとだんだん目も見えるようになって
ママやパパの顔を見てくれて
お散歩のときもキョロキョロしてて
やっと世界が
見えてきたところだったよね




なにも「問題」なかった
「病気」はないし、「異常」がない


生きていくはずだった
生きていくことができた
もっともっと大きくなれた


ほんとは今も
となりに居るはずだった


なのに、失ってしまった



守ってあげられなかった

のではない

わたしたちのせいで
siaちゃんは..

これからの
可能性、希望、成長を失ってしまった



「仕方ない」って言われるけど
まったく仕方ないことじゃない

あの日さえなければ
こんなことにならなかった


防げたことだった



だからこそ、苦しい

悔やんでも悔やみきれない

自分を責め続けるしかできない

謝っても全然足りない


苦しい..


ごめんね


ごめんね、siaちゃん..