1ヶ月ぶりくらいにシナリオを書こうと思ってみても、そのやり方が思い出せなくて困る。文章作法を忘れてるとか語彙が乏しくなっているとかいうわけじゃなくて、「書くぞ」と思い立ってから実行に移すまでの気持ちの持って行き方みたいなものをすっかり忘れてしまっている。冒頭の一文をより正確に表すなら、「1ヶ月ぶりくらいにシナリオを書こうと思おうと思ってみても、その思い方が思い出せなくて困る。」となる。
ではかつての自分はどのように脳内スイッチをOFFからONへと切り替えていただろうか。
確かまずPCを立ち上げてすぐ、IEよりも2chブラウザよりも先に書きかけのtxtファイルを開いてしまって、それからIEや2chブラウザを開きダラダラとネット巡回を始める。その手が一瞬休まったその時に、盗み見るようにチラッとだけtxtファイルのウインドウを表示させてみたりして、前回最後に自分が書いた部分を意識に入れてみる。それが思ったよりも違和感なく自分の頭に馴染んだら、1行だけそれに続く文章を考えて書いてみる。その状態でやっぱり2chとか二次裏とか見返したりなんかしつつ、「もう1行くらいは…」と繋げてみたりすると、そのうち文章に取っ掛かりが出来るか、反対に引っ掛かりが出来る。
取っ掛かりというのは文章の心地良い流れみたいなもので、それに乗ることが出来たらもう2chブラウザに用はなくなる。引っ掛かりというのはその逆で、どうも自分の中で文章として呑み込めない文章のことであって、これをなんとか推敲して取っ掛かりへと作り変える作業は文章家として面白いし、なんとかしないまま放置してしまうのは非常に気持ちが悪いから、一度気になりだしたらもう文章世界への没入は必然となる。こうなってしまえば、さっきまで開いていたふたばのスレが、次に思い出した時にはスレ落ちしているくらいにまで集中力を高めることが可能となる。
とまあ言うは易いが行うは難く、そもそも本当に自分がこんな風だったか、はなはだ不確かなところもあるのだが、想像と推測と思いつきだけで人間の行動過程を構築していくのは創作家として実に面白い行為であって、これが自分の実際と異なっているとしたら、俺は既に一編のフィクションを書き上げたことになる。
もしかしたら普段はこうやってシナリオを書いていたのかもしれない。